【シニアマーケティング成功事例】『日清麺職人』読者のニーズに刺さるコンセプトが大反響

こだわりのスープと、全粒粉入りノンフライ麺が人気のカップ麺『日清麺職人』シリーズ(以降『麺職人』)。
50代・60代の主婦が購買の中心になっており、プレシニア向けのプロモーションを展開しています。今回「ハルメク」に出稿した日清食品のマーケティング担当者様に、当時の課題感や取り組んだ施策、ハルメク出稿後の手応えなどを伺いました。

目次

【課題】「おいしく、罪悪感が少ないカップ麺」というブランドイメージの確立

日清食品様『日清  麺職人』ブランドサイト

日清食品様『日清麺職人』ブランドサイトより


『麺職人』は発売当初から50代・60代女性の購買比率が高い商品でした。

日清食品様でこの年代の昼食を調査したところ、以前は家族のお弁当用に作った残りを食べていたが、子育てが一段落した今は自分の分だけを用意しているという結果に。

このような生活の変化から「一人の昼食は、手間をかけずにおいしいもの・罪悪感が少ないものが食べたい」というニーズがあると感じ、プレシニア女性のニーズに応えるカップ麺として『麺職人』のマーケティング・商品開発を行ってこられたそうです。


「直近の課題は、TVCM等に頼らずターゲット層へのリーチを増やしていくこと、そして『おいしく、罪悪感が少ないカップ麺』というブランドイメージを確立していくことでした」と話すご担当者様。その解決の一手として選ばれたのが、雑誌「ハルメク」への出稿でした。

日清食品様が「ハルメク」を選んだ理由とは


様々な媒体や施策を検討する中で、日清食品様が注目したのは雑誌「ハルメク」への出稿です。

「販売部数がほかの月刊誌と比べて圧倒的に多いこと。それに、定期購読誌だから読者とのエンゲージメントが強そうでしたし、なんといっても購読者の属性が『麺職人』のターゲット層とぴったり合致していることが魅力でした」
とおっしゃるご担当者様。

ターゲットはデジタル媒体だけでなく紙媒体も多く読んでいる世代です。「雑誌は冬の時代」と呼ばれる中、販売部数を伸ばしていた「ハルメク」で施策を打って反応をみたいと、ご出稿を決められました。

【実施施策】インサイトから導き出したコンセプトが成功した

ターゲットスタディから綿密に。ハルメクの「作戦シート」

「ハルメク」の広告の制作過程で大事にしているのは、徹底的な読者インサイトの調査に基づいた原稿づくりです。
ラフを作る段階で、現況の課題、商材の特長や読者のインサイトについて整理したスタディ結果、そこからどのような方針・切り口で原稿を作っているか、原稿の構成などを最初に「作戦シート」というドキュメントにまとめクライアント様に提示します。

これを共有し話し合うことでお互いの要件整理ができ、制作上の齟齬やコミュニケーションの行き違いが起こらないよう、大事なプロセスとして行っております。

実は、「ハルメク」にカップ麺商材が出稿されるのは今回が初めて。今までの事例がないため、50代・60代女性がどんなニーズでカップ麺を選ぶのか、徹底的にスタディをする必要がありました。

健康志向が強く、体に良いもの・手作りの料理を好むハルメク読者に刺さる切り口とはいったい何なのか、シニア世代はカップ麺にどんなイメージを持っているのか?という疑問を持った制作スタッフは、弊社シンクタンクである「生きかた上手研究所」が行った食事に関する調査を洗い出し、そこからヒントを見つけます。

<調査から分かったこと>

  • 家族のために健康を気にして食事を作る人が多いが、自分のためだけの食事には気にする人が半分以下になる
  • 夕食は栄養バランスを考えて作っているが、昼食にその意識が薄い
  • 手間をかけずに栄養満点な食べ方を知りたい
  • 毎日の食事について「もっとこうしたい」と思うことは?の問いに対して、「もっと健康的な食事にしたい」と「もっと調理の手間を省きたい」が同率1位

※「作戦シート」より抜粋・一部表現改訂

この結果から、

「時短で簡単、手間をかけない調理をしたいと思っている」
「特に自分用には手間をかけたくない」

というニーズが読み取れます。
さらに、『麺職人』には健康志向の読者に刺さる“全粒粉入りごちそうノンフライ麺” “素材にこだわったあっさりスープ”という2大特長があります。

この2つをかけ合わせ、生まれたコンセプトは「カップ麺だけど、全粒粉入りで罪悪感がない」というものでした。



シニア世代のカップ麺に対する「脂っこい」「高カロリー」「あまり健康的でない」というネガティブイメージを打ち消していく原稿を意識し、「おいしくて罪悪感が少ないカップ麺」である『麺職人』の商品特長をコンセプトにのせ打ち出しました。


【原稿】コンセプト「罪悪感なし」を前面に出し、目に留まるデザインを意識


24年5月号の原稿は、『麺職人』を普段食べているハルトモ(ハルメクモニター)から普段の食べ方や味の感想をヒアリングし、コンセプトとともに「おいしくて罪悪感の少ないカップ麺」を印象づけました。

モダンな和柄のパッケージに合わせ落ち着いた色味ながらも、たくさんの記事・広告の中で目に留まるようなページデザインを意識しました。ラフの段階からカラーパターンを決め、雰囲気やイメージを早い段階から共有して進めています。

制作のプロセスについて、日清食品のご担当者様に伺うと

「私たちの要望をそのまま誌面にするのではなく、顧客背景や読者に響くポイントをデータでまとめ、それをもとに知見やアドバイスを織り交ぜて作っていただけたのが印象的でした。

意図を的確に汲んでいただいたおかげで、大幅な修正がなくスムーズに進行できました」と作戦シートから始まるプロセスをご評価いただいています。

【効果】コンセプトが読者に刺さり大反響。「ハルメク」創刊以来最多の応募数を獲得

『麺職人』6種類セットをプレゼントするキャンペーンを行ったところ、1300件もの応募があり、広告企画のプレゼントとしては「ハルメク」創刊以来最多の応募数を獲得。

今までの食品事例と比べても非常に高い反響がありました。
プレゼントの応募ハガキや、その後実施した雑誌「ハルメク」満足度調査の読者コメントでは、『「罪悪感がない」という言葉に惹かれ食べたくなった』という誌面のコンセプトをご評価いただく声が多く、読者の心に刺さりカップ麺の従来のイメージをくつがえせたことがダイレクトに伝わってきました。


「今回の出稿では、『麺職人』のこだわり素材に関する訴求や、『罪悪感なし』というコピーが読者に刺さったことが反響のコメントからも読み取れました。(ブランドイメージの確立という課題の施策として)【プレシニアがカップ麺を食べることを肯定する】というメッセージを打ち出せたことを非常にありがたく思っています」とご担当者様から嬉しいコメントをいただきました。

雑誌「ハルメク」はエイジングをポジティブに捉える姿勢で編集を行っているため、広告もハルメク読者世代の生活をより良く、より豊かにすることを柱に制作しています。読者に刺さるインサイトを徹底的に考え、クライアント様と一緒に突き詰める作業を行っていくことで、より反響の高い広告となるよう工夫しています。

今後は紙媒体に加えデジタル媒体にも出稿

日清食品様にはこのような制作プロセスと反響をご評価いただき、今後ハルメク誌の出稿に加えWEBメディア「ハルメク365」などへの拡大出稿も予定されています。
「ターゲット層にダイレクトに想いが届けられる『ハルメク』で、オフラインだけでなく、デジタルでも認知拡大を進めていきたいです」とご担当者様。

本記事でご紹介した、雑誌「ハルメク」の媒体概要についてはこちらの資料でご紹介しています。ご興味のある方はぜひダウンロードのうえご覧ください。

全月刊誌No.1!雑誌「ハルメク」媒体資料

この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングラボ事務局

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