2025.05.14
シニアマーケティングノウハウ「夫婦仲良し」を支える名言に学ぶ、シニア・プレシニアマーケティング成功の着眼点
中高年夫婦をターゲットとするマーケティングは、近年ますます重要性を増しています。少子高齢化が進む中、50代以降の消費行動には、夫婦という関係性が影響する場面も見られます。すべての購買が「夫婦単位」で決まるわけではないものの、価値観や暮らし方を共有するパートナーとの関係が、意思決定において重要な要素になることも少なくありません。
本記事では、「夫婦 仲良し」というキーワードの実態と、中高年層の心に響く「夫婦 名言」をマーケティング活用の視点から読み解きます。
目次
夫婦は中高年層においてどう変化するのか?
子育てが一段落し、再び「夫婦の時間」が増える中高年世代。特に50代後半から70代にかけては、「第二の新婚期」ともいえるような夫婦関係の再構築期にあたります。
共に過ごす時間が増えることで、
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改めて会話の機会が生まれる
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旅行や趣味などを一緒に楽しむ機会が増える
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健康や老後設計といった人生の課題を共有する
といった変化にあわせて、「仲良しな関係」への再接近が図られるフェーズと言えます。
一方で、互いの価値観の違いが露呈することで摩擦が生じることもあり、全ての夫婦がポジティブな変化を享受しているとは限りません。こうした両極化した夫婦関係を理解することが、ターゲット分析の第一歩となります。
ハルメクグループでは、「50-70代の夫婦・パートナーに関する意識と実態分析レポート」をと取りまとめました。詳しくは調査資料をご確認ください。
資料をダウンロードするデータで見るパートナーシップへの期待と可能性
ハルメク 生きかた上手研究所が発表した「夫婦関係に関する調査2024」では、50~79歳の未婚男女の25%が「パートナーを希望している」と回答しています。これは、加齢に伴う孤独感の回避や生活の安定、精神的な充足感を求める心理が背景にあると考えられます。
~調査概要~
調査名:夫婦関係・パートナーに関する調査 2023
調査方法:WEBアンケート
調査対象:全国の50~79歳・既婚の男女600名
有効回答数:600名
調査実施日:2023年9月21日(木)~9月25日(月)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。
この結果は、「夫婦やパートナーという関係性」に対して、年齢を重ねても前向きな期待を抱いている層が一定数存在することを示唆しています。
既婚者であっても、「今の関係をより良くしたい」という思いに通じる部分があるでしょう。
つまり、ライフステージの変化が「もう一度関係を深めるきっかけ」になることがある、という点が見えてきます。中高年の恋愛や夫婦関係に対する価値観は、従来の保守的なイメージから大きく変化しているのです。
価値観の変化が導く「夫婦ならでは」の消費行動
再び「ふたりの時間」が増える中高年期には、「何を一緒に楽しむか」「どう生きていきたいか」という価値観の共有が重要になります。そうした背景の中で、夫婦関係を軸とした消費行動が顕在化しやすくなっています。
このような変化は、従来の“個人”を前提としたマーケティングでは捉えきれないニーズを生み出します。そこで、「夫婦単位での共感や共有」を切り口にした施策が、ブランドとの接点づくりに有効になります。
たとえば以下のようなアプローチが考えられます:
「ふたりの時間をもっと豊かに」
旅行・外食・共通の趣味など、「体験を共有する価値」を提案。
「これからの暮らしを整える」
リフォームやライフプラン設計など、将来の安心を“ふたりで考える”ことを支援。
「互いに健康を気をつける」
健康食品・運動・予防医療など、パートナーと一緒に取り組む前提で伝える。
「感謝や節目を大切にする」
結婚記念日、還暦、銀婚式など、節目を祝う文化を訴求。
商品やサービスを「夫婦で楽しむ形」に最適化することで、共感を喚起できます。
“未来への安心”という物語と結びつけられるかがポイントです。
夫婦の本質に迫る「名言」が共感を呼ぶ
人生経験豊かな中高年層にとって、「言葉」は強い共感を引き出すツールとなります。
特に夫婦関係にまつわる名言には、パートナーシップの本質を見つめ直す力があります。
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「夫婦とは二つの半分になるのではなく、一つの全体になることだ」
──フィンセント・ファン・ゴッホ(オランダの画家) -
「結婚生活は長い会話である」
──フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者) -
「結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ」
──トーマス・フラー(イギリスの聖職者) -
「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」
──サン・テグジュペリ(フランスの作家)
「一緒に楽しむ」「一緒に歳を重ねる」といった価値観を象徴するこれらの名言は、単なる言葉以上に、“ふたりのあり方”そのものを考えるきっかけとなります。
マーケティング施策においても、こうした言葉にビジュアルや実例を添えることで、より深い共感とブランドへの親しみが生まれるでしょう。
実例:中高年夫婦をターゲットに成功したキャンペーン
バーガーキング「70年経っても火は消え続ける」(2024年)
こうした名言のエッセンスを具現化した好例が、バーガーキングの「70年経っても火は消え続ける」(2024年)キャンペーンです。
創業70周年を記念して、長年連れ添った高齢夫婦が店舗で情熱的にキスを交わすビジュアルを採用。“年を重ねても変わらぬ愛”を、バーガーキングの直火焼きの「情熱」とかけ合わせ、ブランド価値を印象づけました。
さらに、「2人でワッパーを25レアル(約25ドル)」というペア向けの特別プロモーションも展開。バーガーキングは「若者向けではない!」というメッセージを伝え、シニア層を意識したペア向けプロモーション「2人でワッパーを25レアル」も実施し「年齢に関係なく楽しめる場所」として、話題となりました。
出展:Burger King Launches 'Chama Acesa' Spot
まとめ:夫婦関係に必要なのは「ちょうどいい距離感」
共感や共有が重視される一方で、「一緒にいる時間が長いからこそ、心地よい距離感をどう保つか」も、現代の中高年夫婦にとって大切なテーマです。
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別々に使えるけれど揃えても美しい生活雑貨
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ひとり時間とふたり時間を切り替えられる旅行プラン
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無理なく始められる“共通の健康習慣”
といった商品やサービスは、「べったり」ではなく「ほどよい関係性」を築くきっかけとなります。
“共有と独立のバランス”を尊重した提案こそが、この世代の成熟した関係性にフィットしたマーケティングになりうる可能性があります。
ハルメク生きかた上手研究所では、「50〜70代の夫婦・パートナーに関する意識と実態分析レポート」を取りまとめております。
今後のマーケティング施策や商品企画、顧客理解のベースとして、ぜひお役立てください。
シニア/プレシニアに関することならハルメク・エイジマーケティングにご相談ください
ハルメク・エイジマーケティングは、ハルメクグループにおけるBtoB向けシニアマーケティングに特化したサービスを提供しております。
調査データの提供やプロモーション設計、共同研究なども承っておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。まずは、情報交換からでも大丈夫です。
この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングラボ事務局
ハルメク独自の調査でわかったシニアの動向やトレンド・実践的なノウハウなど、シニアマーケティングに役立つ最新の情報をご紹介。オンライン・オフラインでの集客のお悩みやCRMの課題など、シニアのことならお任せください!
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