2021.08.25
シニアに関する調査シニアの「購買行動」に関する傾向調査 ~2021年、コロナ禍の影響で変化したこと~
シニアマーケティングを成功させるためには、対象の購買行動の変化などを明確にした上でアプローチしていくことが重要です。本稿では、コロナ禍でシニアの購買行動はどのように変化したのかについて、生きかた上手研究所などの調査結果をもとに紹介します。
目次
シニアの「購買行動」の調査・分析結果
高齢化が著しい日本では、シニア市場が拡大を続けており 2025 年には 100 兆円を超える市場規模になると予想されています。拡大を続けるシニア市場でビジネスを拡大させるためにはどのような媒体を用いてアプローチすればよいのでしょうか。
ここでは、シニアにアプローチできる 9 つの媒体とシニアの平均収入支出額について紹介します。
どこで情報収集しているか?
現在においてもシニアにアプローチする媒体は紙が主流だとされています。
一方、近年ではシニア世代のスマートフォン保有率も高まってきていることから、ネット広告やオンラインメディアの効果も上がってきています。時代の変化によって情報収集手段はどのように変化しているのでしょうか。
主な広告媒体の特徴について解説します。
マスメディア( TV / ラジオ)
コロナ禍で在宅時間が増加していることもあり、高齢者層のテレビ視聴率は高い傾向にあります。
TVCM による映像を用いた訴求は印象に残りやすいこともあり有効な訴求手段であるといえます。
新聞広告
総務省の「令和 2 年版情報通信白書」によると、全世代の新聞購読率は平日で26.1% であるのに対し、60 代では57.2% と非常に高い割合となっていました。この結果から新聞は高齢者にとっては現在でも重要な情報収集手段となっていることがわかります。また、高い信頼度を誇る新聞に広告を出稿することで、商品にも信頼が得やすいというメリットがあります。
雑誌広告
雑誌広告はターゲットを絞った広告を出稿するのに適した媒体です。
例えば、「高齢者」の「女性」をターゲットとしている場合には、シニア女性誌「ハルメク」などに広告を出稿することで、より効果的な訴求が可能です。
会員誌
多くの高齢者会員を抱える会員誌は、シニアをターゲットにしている場合有効な訴求方法の 1 つです。
会員誌の特長として、読者のロイヤリティが高いことや商品に対する信頼感を得やすいなどが挙げられます。
フリーペーパー
地域密着型のフリーペーパーでは、さまざまなジャンルのものが発刊されているため、ターゲットを絞った広告出稿が可能です。発刊エリアが都市部に集中しているため、その他のエリアでは効果が低くなってしまう点には注意が必要です。
折込チラシ
折込チラシは購読率の高い新聞に折り込まれることから、多くのシニアへリーチすることができます。
また、折込チラシは出稿する媒体の信頼性から、商品やサービスも信頼されやすいといった特徴があります。
交通広告
電車やバスなどに掲載される交通広告は、出稿エリアによってターゲットを絞ることができます。そのため、シニアやサラリーマンといったターゲットを狙ったアプローチをおこなう際に効果的です。
同封 / 同梱広告
通販カタログや会員誌・定期購読誌などに同封 / 同梱するタイプの広告では、ターゲットを絞った訴求と、試供品などを同梱したアプローチができます。試供品を同梱することで高い開封率を実現することもできます。
シニア向けオンラインメディア
上述のようにシニア世代のスマートフォン保有率が上がっていることから、シニアを対象としたオンラインメディアへの広告出稿効果も上がってきています。オンラインメディアでもある程度ターゲットを絞った広告が可能となるため、効果的な訴求が実現できます。
シニアの平均収入・支出額はどのくらい?
生きかた上手研究所が実施した「年金生活とお金の使い方に関する意識と実態調査」によると、
シニア女性の月当たりの平均収入(および、配偶者がいる場合は夫の月当たりの収入を合算した世帯収入の平均)は、32.5 万円/月という結果でした。
一方の支出額では、シニア女性の月当たりの平均支出(および、配偶者がいる場合は夫の月当たりの支出を合算した世帯ベース総支出の全体平均額)は、全体で 27.8 万円/月という結果となっています。
以上の結果からは平均収入額に対して平均支出額が意外と多いという結果になりました。
コロナ禍で変わったシニアの「行動傾向」とは
シニアの行動傾向はコロナ禍でどのように変化したのでしょうか。ここでは、コロナ禍で見られるシニアの行動傾向の変化と、どのような媒体を用いた訴求が有効かについて解説します。
変化 ① メディア接触時間が増加、広告が見られている
コロナ禍でみられる変化の 1 つとして、メディアとの接触時間の増加が挙げられます。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、政府からは不要不急の外出を控えるよう呼びかけがなされています。外出自粛要請の中では自宅でテレビや雑誌などを見ながら過ごす人も少なくなく、メディアの接触時間が増加している傾向にあります。
生きかた上手研究所が 50 ~ 85 歳の女性を対象に実施した「コロナの意識調査」では、スマホや PC 、 TV の閲覧・視聴時間が、 34.8% 増加。新聞・雑誌などのオフラインメディアの接触時間も 28.4% 増加しているという結果になりました。
変化 ② 通販利用が活発化している
在宅時間の増加に伴って、テレビや雑誌などのメディアを閲覧する時間だけでなく、通販の利用も増加しています。
シニア層の趣味活動を応援するウェブサイト『シュミカツ!』が行った、 50 歳以上の男女を対象としたアンケート調査では、通販・ EC サイトの利用において「頻度が増えた」と回答した方は19.3% にも上りました。そのうち 22.5% の人が購入金額について「増えた」と回答していることからも、通販利用が活発化していることがわかります。
出典:株式会社SEGA「シニア層の趣味活動を応援するウェブサイト『シュミカツ!』 シニア世代アンケート緊急事態宣言期間におけるシニア世代の巣ごもり消費に関する調査結果」
通販メディアの広告活用が狙い目
通販の利用者が増え購入金額が増加している傾向からもわかるように、シニア層をターゲットとした広告出稿にも通販メディアを活用することが重要であることがわかります。
三井住友カード株式会社が実施した「キャッシュレスデータ分析サービス“ Custella (カステラ)”での新型コロナウイルスの影響による消費行動の変化についての調査結果」によると、外出の必要なくサービスを利用できる便利さや価格の安さをメリットに感じ、利用者が増加している傾向にあり、利用が定着しつつあることがわかりました。
出典:三井住友カード株式会社「キャッシュレスデータ分析サービス“Custella(カステラ)”での新型コロナウイルスの影響による消費行動の変化についての調査結果」
コロナ禍におけるシニアの「消費傾向」とは
続いて、コロナ禍におけるシニアの消費傾向がどのように変化したのかについて紹介します。
傾向 ① 「金銭的な不安」は低く、節約志向もそれほどない
生きかた上手研究所が実施した「新型コロナウイルスに関する意識調査」では。新型コロナウイルスに対しての不安があると回答した人が 79.8% と非常に多くいたものの、不安を感じている理由として金銭面をあげた人の割合は 10.6% にとどまりました。
傾向 ② 「モノ」より「コト」消費が大きな制約を受けている
同調査では「新型コロナウイルスの状況下で実際に体験したこと」については、半数以上のシニア女性が「コンサートやスポーツイベントが中止または延期になった」と回答しています。
また、「公共交通機関を使う頻度を落とした、またはやめた」「スポーツジムや体操教室などが休業した、または行くことを控えた」との回答をした人も 4 割以上いることから、モノよりもコトに対する消費に大きな制約がかかっていることが伺えます。
シニアのライフスタイル毎に行動は異なる!注意すべきポイント
コロナ禍で行動傾向や消費傾向に一定の変化が見られるものの、全てのシニアが同様の行動をとっているとは限りません。
シニアといってもさまざまなライフスタイルの方がいます。ライフスタイルごとにそれぞれの生活行動や購買行動も異なるため、シニアマーケティングを成功させるためには、ライフスタイルを把握しておくことも重要です。
弊社の通販メディア「ことせ」では、購買意欲の高い”アクティブシニア”を多数読者に抱えており、月間約 50 ~ 60 万人へのアプローチが可能です。特に健康食品・食品のジャンルで多くの掲載実績があるため、これらのジャンルでビジネスを展開しようとしている企業は、ぜひ利用をご検討ください。
この記事の監修者プロフィール
シニアマーケティングラボ事務局
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