F3層はどのくらいの年齢が対象?F1層F2層との違いや有効なマーケティングとは

50歳以上の女性、いわゆる「F3層」は、マーケティングの世界で見逃せない重要なターゲットです。彼女たちの特性を理解し、効果的にアプローチするための戦略を探ることが、新たなマーケットの扉をあける鍵となります。本記事では、ハルメクグループがターゲットとしているF3層の特徴から効果的なマーケティング手法まで、深く掘り下げて解説します。 

目次

50歳以上の女性、いわゆる「F3層」は、マーケティングの世界で見逃せない重要なターゲットです。彼女たちの特性を理解し、効果的にアプローチするための戦略を探ることが、新たなマーケットの扉をあける鍵となります。本記事では、ハルメクグループがターゲットとしているF3層の特徴から効果的なマーケティング手法まで、深く掘り下げて解説します。 

F3層とは

F3層は50歳以上の女性を指すマーケティング用語で、「F」は女性(Female)の頭文字、「3」は年齢層を表しています。これはF1層(20~34歳女性)、F2層(35~49歳女性)に続く世代を意味し、男性の場合は「F」が「M」(Male)に変わります。 



また、F層のほかに年齢層を表す用語としてC層とT層があり、C層(Children)は12歳以下の子供、T層(Teenagers)は13~19歳の若者を指します。 



そのほか、「F2転換」という用語もありますが、これは2回目の購入を指す用語で、「Frequency(頻度)」の頭文字と「2」を組み合わせたものです。 F2層との関連はありません。 



<F1層〜F3層の対象年齢、特徴、その層をターゲットとする商材>

対象年齢 特徴 ターゲット商材
F1層 20歳から34歳まで ファッションや美容、レジャー・旅行、ライフスタイル関連に関心が高い。
プチプラ・トレンド重視、ネット通販・SNS利用
化粧品、衣服、フィットネス、旅行、SNS広告など
F2層 35歳から49歳まで 家庭や育児、健康、家事軽減、家族向けのサービスや商品に関心が高い 家庭用品、育児用品、健康食品、家族向けレジャーなど
F3層 50歳以上 健康、趣味や余暇活動に関心が高い。
高品質で長く使えるものを好む高級・国産志向、健康維持、SDGs指向。
健康器具、シニア向け食品、趣味関連商品、旅行など

F3層の特徴 

<F3層の特徴>

  • 子育てが一段落し、時間的余裕が生まれてくる
  • 体の変化を感じ、より健康維持への意識が高まる
  • 自己投資を積極的におこなう
  • 信頼できる情報源からのコンテンツを重視する傾向がある
  • 趣味、旅行に関心がある
  • 終活に関する意識が高まる
  • SDGsの取り組みは、子どもや孫を守りたいという意識が高い
  • 昭和の価値観の影響をうけている


F3層(50代以上の女性)は、子育てが一段落し、時間的余裕が生まれる時期です。この年代の女性は自身の体の変化を感じ、健康維持への意識が高まります。

また、女性は家庭を守るべきという昭和の価値観に影響され、信頼できる情報源を重視する傾向があります。

そして、子や孫を守りたいという思いからSDGsへの関心も高まっています。趣味や旅行に興味を持ち、経済的余裕もあり自己投資にも積極的です。さらに、終活への意識も強まります。   





F3層は50代以上の女性をひとまとめにする広範なグループです。しかし50代、60代、70代、80代と年代ごとにライフステージや興味が異なります。そのため細分化して各年代の特徴とニーズに合わせたマーケティング戦略を立てることが必要となります。 

F3層 50代の特徴 

F3層の50代は、子育てが一段落し、子供が独立する時期にあります。一方でキャリアのピークに達し、仕事と家庭のバランスを取りながら生活しています。しかし、専業主婦として家事や子育てに専念すべきだという昭和の価値観の影響を受けている層も一定数います。

また、バブル景気の影響を受けた世代でもあります。



そして退職後の生活に向けた資産形成を強化することが必要となる時期であり、更年期を経験する年代でもあるため、健康管理や将来の生活設計に関心が高まります。



消費行動では健康や美容への投資が増え、旅行や趣味への支出も多くなります。



メディア利用ではスマホやタブレットの利用が一般的 で、SNSやインターネットも活用し、オンラインショッピングや情報収集にも慣れています。 

F3層 60代の特徴 

F3層の60代の多くは、退職後の第二の人生を楽しむ段階にあり、健康維持と病気予防に強い関心を持っています。孫との時間を楽しみつつ、約7割が「自分は健康」と認識し、間食を好む人が多いことも特徴です。退職後の収入源を確保しつつ生活費を賄うための資産運用が求められる時期でもあります。



消費行動では、健康食品やサプリメント、趣味や旅行、住宅リフォームへの投資への関心が高まります。



メディア利用ではテレビや新聞を好みつつ、インターネットも活用しますが、特定のSNSやウェブサイトを利用する傾向があります。

F3層 70代の特徴

F3層の70代は、退職後の生活に適応し、自由な時間を楽しむ段階です。団塊の世代であり、医療制度の変更にも影響を受ける後期高齢者です。健康問題が現実的な課題となり、医療や介護サービスへの関心が高まる一方、趣味や社会活動にも積極的に参加します。食生活では健康を重視し、SDGsへの意識も高まっています。



資産運用は安全性を重視し、医療費など将来の支出に備えます。終活への意識が高まり、家財や金融口座の整理をおこないます。



消費行動では医療・健康関連商品、趣味、旅行への支出が増え、家電やインテリアといった家庭内の快適さを重視した投資もおこないます。



メディア利用はテレビと新聞が中心で、インターネットは限定的に使用し、メールや基本的な検索が中心ですが、特定のSNSを通じて家族や友人とのつながりもあります。 

F3層 80代の特徴

F3層の80代は、多くが介護や医療のサポートを必要とし、家族や介護者との時間を大切にしながら静かな生活を送っています。健康管理が最重要課題であり、医療・介護関連のサービスや製品への支出が増えます。食生活や栄養への関心も高く、シンプルで使いやすい製品を好みます。



メディア利用はテレビが主な情報源で、ラジオも利用します。インターネット利用は限られ、家族のサポートを受けながらの利用が多いです。伝統的なメディアを好む傾向があります。 

F3層とF1層・2層との違いについて 

F3層は、時間的・金銭的余裕があり、主体的に情報収集や消費をおこなう傾向があります。他の層と比べて健康志向が高いため、健康食品やサプリメントの需要が高いです。   



ライフステージを見てみると、F1層は独身や未婚で仕事中心の生活を送り、恋愛や結婚、出産などの人生のイベントを経験します。F2層は結婚・出産後、育児や家事、家計管理、子供の教育に従事します。一方、F3層は子供が独立し、夫婦二人暮らしとなり、自分磨きや趣味、健康志向、老後準備に力を入れる時期です。 



消費傾向では、F1層はコスメやファッション、旅行など自分磨きや娯楽に関心が高く、プチプラやトレンド商品を好み、ネット通販やSNSを活用します。F2層は生活必需品や家族の健康、家事軽減に関心が高く、マスメディアの影響を受けやすいです。F3層は旅行やグルメなど自分へのご褒美として消費し、高品質で長く使える商品を好みます。また、健康維持やSDGsへの関心も高いです。 



このように、各層の特性に応じたマーケティング戦略を立てることで、より効果的なアプローチが可能となります。 

F3層とミドル・シニア・ミドルシニアとの違い

ミドル・シニア・ミドルシニア層は男女を問わず対象としています。

これに対してF3層は女性に特化しているところが異なります。



ミドル層は35歳から50代前半の男女を指し、団塊世代後半からバブル世代前半までを含みます。シニア層は60代以上、特に65歳以上の高齢者で、年金生活者や老後の生活を準備している人々が多い層です。ミドルシニア層は40代後半から60代前半の男女を指し、ミドル層とシニア層の間に位置します。 



F3層は、ミドルシニア層およびシニア層と重なる部分が多いですが、特に女性のライフスタイルに焦点を当てたアプローチが必要となります。 

F3層に有効なマーケティング・メディアとは 

F3層にとって効果的なマーケティングメディアを活用するために、まずは各メディアの特性を理解しましょう。



メディア 特性
テレビ F3層には絶大な信頼感があり、商品やサービスの認知度を高めるのに効果的。しかし、近年はテレビがF3層をあまり重要視しなくなっている。一方で、F1層とF2層に対するテレビの影響力は相対的に低い。
新聞 F3層は文字を読む習慣があり、信頼性の高い情報源との認識されているため効果は高いが、発行部数は減少している。F1層とF2層と言われる10‐30代の閲読率は1割足らずという調査結果とは対照的。
雑誌 F3層には信頼できる情報源として認識されており、興味が高い健康、趣味、旅行関連などのジャンルへの広告掲載は効果が見込める。ただし、新聞同様休刊も増えている。F1層は美容やファッション、F2層は家庭、健康、ビジネス関連の雑誌、と興味がある分野がF3層とは異なる。
ラジオ F3層には家庭内での背景音楽や情報源として聴取されることが多い。聴取率は減少傾向にあるが、後期高齢者など視力が弱くなりラジオを好む層も一定数おり、ターゲットによってはリーチ可能。
同封同梱 ターゲットに確実にリーチするため、反応率が高い。どの世代も商品を受け取る際に広告にも目を通しているが、ハルメクの調査では60代以降の同封同梱物に対する信頼度が上がる傾向があることを確認している。
Webサイト 商品やサービスに関する詳細な情報を、比較的低コストで自由に発信することができ、効果測定を分析することが可能。F3層も多くがパソコン・タブレット・スマホからネット情報を参照しているが、通販は見やすいパソコンから購入するなどの使いわけがある。
SNS 低コストで始められ、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることができ、顧客とのエンゲージメントを高めることができる。F3層でも徐々に利用が増えてきているが、閲覧のみで投稿する層はまだ少ない。

これらメディアとF層の特性を利用し組み合わせることで、F3層に対する効果的なマーケティング戦略を構築できます。 





F3層へアプローチ・マーケティングする際の留意点

F3層へアプローチ・マーケティングする際には留意しなければならない点があります。

まず、視認性を確保することが重要です。F3層には視力の低下が見られるため、大きくはっきりとした文字とコントラストの高い配色を使用します。



次に、情報はシンプルでわかりやすく提供することが求められます。複雑な情報は避け、必要な内容を簡潔にまとめ、箇条書きで説明すると効果的です。



また、共感を引き出すために、F3層の体験談や共感できるストーリーを広告に含めます。ターゲットと同年代の人物を広告に使用することで、親近感を持たせることができます。



視認性、情報のシンプルさ、共感の要素を重視した戦略がF3層への効果的なアプローチとなります。 

年齢的な傾向はあっても、志向性によって好むメディアやタッチポイントや接触方法はかわる

年齢に関わらず、消費者の志向性によって好むメディアやタッチポイント、接触方法は異なります。同じF3層でも、デジタル志向の人はSNSやメールマガジンを好み、アナログ志向の人はテレビや新聞、直接的なイベント参加を好む傾向があります。



F3層に最適な媒体や施策はハルメクグループがご提案

マーケティング戦略では、ターゲットの志向性を理解し、それに応じた多様なアプローチを取ることが重要です。具体的な接触方法を選定するためには、ターゲットのメディア利用習慣や興味関心を詳しく調査する必要があります。

ハルメクなら、ミドルからシニアまで、雑誌などの紙媒体、通販同梱媒体やLINEや365などのデジタルメディアなど、自社媒体以外も多く提案可能です。 

ハルメクグループ取り扱い媒体を見る

まとめ

F3層とは50歳以上の女性を指します。この層は自由な時間と可処分所得が増え、健康や趣味、旅行に興味をもち、SDGsへの関心も高まり、自己投資に積極的です。さらに、終活への意識も強まります。消費行動としては、健康維持や美容に対する投資が増え、品質や信頼性を重視するという特徴があります。



F3層へのマーケティングでは、信頼性と共感を重視したアプローチが鍵となります。そして視覚的に見やすく、簡潔でわかりやすい情報提供を心がけるとともに、ターゲットのメディア利用習慣や興味関心を詳しく調査し、適切な接触方法を選定することが重要となります。 

ミドルからF3層へのマーケティングのことはハルメクに

F3層へのマーケティングには、F3層とひとくくりにせず、世代や指向性にあわせてタッチポイントやコミュニケーションを検討する必要があります。


特に、50代と60代以降ではデジタルにおけるリテラシーも異なり、ライフスタイルが変化する人も多いため、その違いを明らかにすることが今後の戦略において重要です。

ハルメクならミドルからF3層までをターゲットとしたマーケティングにおいて、豊富な知見を活かした提案が可能です。F3層にフォーカスした調査も多く手掛けておりますので、情報交換でもお気軽にご相談ください。

【無料】ご相談・お問い合わせはこちら

この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングラボ事務局

ハルメク独自の調査でわかったシニアの動向やトレンド・実践的なノウハウなど、シニアマーケティングに役立つ最新の情報をご紹介。オンライン・オフラインでの集客のお悩みやCRMの課題など、シニアのことならお任せください!

記事一覧はこちら

ご相談/お問い合わせ・
資料請求はこちら
contact

(株)ハルメク・エイジマーケティング営業局

お問い合わせ

03-3261-1363

(受付時間:平日 9:00〜18:00)

ハルメクグループの
サービス資料をはじめお役立ち資料が
まとめてダウンロードできます。