シニアに動画マーケティングは効く?データでみる最新利用状況と成功のコツ

今やシニアの多くがスマホを手にし、動画を楽しむ時代になりました。ハルメクグループが独自に行った最新の調査でも、50代以上の女性は動画配信サービスの利用率や視聴頻度は高く、情報収集のツールや日々の娯楽になっていることが明らかになりました。

このような実態から、今後シニアをターゲットとしたマーケティングにおいて動画の活用はますます重要になるでしょう。シニアの最新の動画視聴データをもとに、動画は本当に効くのか、制作のコツや成功事例まで解説し、効果的なアプローチのヒントをご紹介します。

【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
抽出方法:ハルトモ(ハルメクのモニター組織)
エリア:全国
対象者条件:50~79歳女性
回収数:395サンプル  うち、50代:69人、60代:219人、70代:107人
実査期間:2025年6月16日(月)~6月18日(水)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング 生きかた上手研究所
その他備考:調査結果のパーセンテージは小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります

目次

シニアの動画利用実態

2025年6月に行った調査では、シニアの動画利用について年代別の利用状況・視聴時間や、視聴の仕方などから、動画が日常生活に根付いていることが見えてきました。

利用状況

動画サービス※の利用率は全体の81%で、若い年代ほど利用率は高く、50代では97.1%という結果になりました。視聴頻度を見てみると、シニア女性の約48%は、週に4回~ほぼ毎日動画視聴しており、動画視聴が生活の一部になっています。

※動画サービス:YouTubeやNetflixなど、スマホやパソコン、タブレット、スマートテレビのブラウザやアプリなどを介して、インターネットを通じて動画を視聴するサービス。
【質問文】あなたは動画サービスを普段どの程度の頻度で利用しますか。最もあてはまるものをお選びください。



1日あたりの視聴時間は約6割の方が1日10分~1時間で、1本あたりの視聴時間は「3分~10分未満」が最も多く、短尺の動画をすき間時間で視聴している傾向があることが明らかになりました。また一方で30分以上の動画をじっくり見ている人も約26%と一定割合いることがわかりました。

【質問文】1日のうち動画サービスを視聴する時間はどれくらいですか。1日あたりの平均時間でお答えください。動画サービスの1本あたりの視聴時間として、最も多いものをお選びください。


どのようなタイミング(時間帯)で視聴しているか、という質問では、「就寝前のリラックスタイム」「勉強や仕事の合間(休憩時間)」「家事をしながら」がTOP3という結果になりました。  
動画サービスの利用時間帯を含めた、シニア女性の動画分析レポートはこちらからダウンロードできます。

動画視聴の意識と実態分析レポート

視聴の仕方

動画サービスをどの機器で視聴していますか、という質問ではスマホが75%とメインで、次いでパソコンが25%、スマートテレビが23%と続きました。
タテ型・ヨコ型どちらで見ているかについては、通勤中はタテ型がメインだが、その他のシーンではタテ型派とヨコ型派はほぼ同率でした。



動画を倍速で見ている割合は約33%と一定のニーズがあるが、多くの人は動画をじっくり視聴する傾向がありました。また字幕表示を利用している割合は43%と倍速よりもニーズが高いことがわかりました。音声なしでも楽しめる字幕付き動画のほうが離脱率は低い傾向にあることが明らかになりました。

視聴動画サービスは「YouTube」が圧倒的に高く73%、次いで「TVer」28%、「Amazon Prime Video」20%と続きます。
SNS上の動画視聴状況は「Instagram」で動画を視聴することがあるという割合は39%、「X」は13%、「TikTok」12%という結果になりました。  
視聴動画サービスを含めたシニアの動画に関する最新レポートはこちらからご覧ください。

動画視聴の意識と実態分析レポート

シニアに動画のアプローチは効果的なのか?

それでは実際に、シニアは何をきっかけに動画を見ているのでしょうか。

「どのようなきっかけ、理由で動画コンテンツを見ることが多いか」という質問では、全体の約60%が選択した“あるきっかけ”から、シニアの動画視聴の在り方が見えてきました。また、50代においては他の年代では少なかった“ある理由”も上位にランクイン。シニア女性でも世代によって動画を見るきっかけが異なることがわかりました。



さらに、動画をきっかけに商品を調べた人や、商品を購入した経験がある人の割合や、動画コンテンツをきっかけに購入した商品カテゴリ上位も明らかに。商品を認知させ購入を促す手段として動画の有効性が見えてきました。

下記の資料では、シニア女性が動画を見る理由や商品購入経験の有無を年代別の最新データで詳しく見ることができます。

シニア女性が動画を見る理由

シニア向け動画の押さえるべきポイント

ここまで紹介したアンケート結果を含む30項目の調査結果をもとに、シニア女性向けに動画コンテンツを制作する際に重要なポイントを3つまとめました。

【重要ポイント】

  • 利用シーンに合わせて短尺のタテ型動画3~10分の本編動画を制作する

  • 倍速再生・字幕使用などの音声無しでも楽しめる機能を装備する

  • 「自分ごと」と捉えやすいテーマを設定し、共感を得る同世代の人物をキャスティングする

2025年7月の動画視聴に関する意識と実態の分析レポートの全容は下記から見ることができます。

動画視聴に関する意識と実態

 シニアの心を掴んだ動画とは?

実際に、3つの重要ポイントを押さえた動画とはどのようなものなのでしょうか?
ハルメクが運営するウェブメディア、「HALMEK up」では、『プレシニア世代からの「毎日を面白くする情報」をお届けする』をテーマに、記事だけでなく動画コンテンツも豊富に配信しています。月間PV数は約405万※で、ミドルとシニアの狭間にいる世代が求める「いま知りたい」を研究し、多くのコンテンツを展開しています。

ここからは実際にHALMEK upで配信し、シニアの心を掴んだ動画の概要と視聴者コメントをご紹介します。

※25年5月実績

テーマ「お金」

1つ目は、70代ひとり暮らしの紫苑さんが、毎月5万円の年金でいかに豊かに暮らしているか、生活の工夫や節約術を4回のシリーズで紹介する動画です。

視聴者コメント(一部)
いろんな誌面でご自身の暮らしの紹介文を読んでいましたが、ご自身の声でお話頂くとなるほど!と実感しました。心に残る言葉がたくさんありました。

テーマ「美容」

次にご紹介するのは、50代の読者モデルさんのメイク動画シリーズです。
50代からの年齢肌をより美しく見せるためのファンデーション・アイライン・アイシャドー・眉メイク・マスカラ・チークなど上品メイクのコツを紹介しています。

視聴者コメント(一部)
メイクの動画は興味があって、かなり見ています。ただ対象者が自分の年より若い方向けが多いです。眉の位置の決め方、使用するアイブロウのおすすめの種類、ぼかし方がとても参考になりました。

テーマ「健康」

3本目の動画は、運動不足に陥りがちなシニア女性のため、TRF・SAMさんとハルメクがオリジナルのダンスを考案した動画です。誰でもできる簡単なダンスなので、楽しみながら健康を維持できる内容になっています。

視聴者コメント(一部)
肩凝りに毎日悩まされていましたが、音楽と一緒にリズミカルに動くことができ、何よりも楽しくて大変気に入りました。

シニア女性×動画 アプローチの特徴とポイント

3つの重要ポイント、

  • 利用シーンに合わせて短尺のタテ型動画3~10分の本編動画を制作する

  • 倍速再生・字幕使用などの音声無しでも楽しめる機能を装備する

  • 「自分ごと」と捉えやすいテーマを設定し、共感を得る同世代の人物をキャスティングする

これらを実際に組み込んだ動画本編は下記のリンクから視聴できます。記事では載せきれなかった具体的な動画設計の裏側を、シニア女性の動画マーケティングに精通したハルメクのディレクターが解説しています。徹底的な分析に基づく実際の動画を視聴し、3つの重要ポイントがどのように表現されているのか理解を深めることができます。

シニア女性×動画 押さえたいポイント

シニア向け動画コンテンツの未来 「ハルメクTV」

ハルメクが運営するウェブサイト「HALMEK up」では、これまでの動画視聴動向とユーザーアンケートなどをもとに、「HALMEK TV」をリリースしました。HALMEK TVは、50代女性の“見えづらい声”に光をあてる動画メディアです。「心のもやもや」や「これからの生き方・セカンドステージ」と向き合い、深い共感と新たなつながりを生み出すことを目指しています。HALMEK TVで実際に配信した動画の一部をご紹介します。

「50代からのセカンドステージ」を応援する動画

新たな一歩を踏み出した女性のリアルな体験を描いたドキュメンタリー「わたしリスタート」。自分らしい生き方を模索するシニア女性にとって、今後の生き方の参考になる内容となっています。

【動画のポイント】

  • テーマは「人生のセカンドステージ」
  • 同世代出演者のドキュメンタリー
  • 30秒の予告編と5分の本編(2回型)で構成
  • 字幕(テロップ)付きで内容がすぐわかる

(画像をクリックすると動画の再生ページに遷移します)

シニア女性の共感・信頼感を高める「ショートドラマ」シリーズ

50代以降の女性が直面する人生の転機を描いたショートドラマシリーズ。各エピソードは3~5分の短時間で視聴でき、同世代の共感を呼ぶストーリーを展開しています。

【動画のポイント】

  • テーマは「人生のドラマ」
  • 同世代出演者のショートストーリー
  • タテ型ですき間時間に楽しめるエンタメ
  • 1エピソード3~5分(全3話)で構成

(画像をクリックすると動画の再生ページに遷移します)

視聴コメント(一部)
ドラマ仕立てのショートドラマはどんなものだろうと興味をもって観ました。
心に沁みた作品でした。私も亡き母ともっと会っておけば良かったと後悔しています。素敵なドラマをありがとうございました。

動画コンテンツ×EC連携の新たな試み

HALMEKTVでは、動画コンテンツとECを掛け合わせ、新しい挑戦もしています。単なる商品紹介ではなく、「同窓会」という50代の利用シーンを想定し、同世代ドラマの中のコンテンツのひとつとして商品を紹介する試みです。本編で動画と最も相性が良かった「化粧品」を扱い、「EC誘導ボタン」をつけて即時購入の流れを作っています。ここでは予告編をご紹介します。

(画像をクリックすると動画の再生ページに遷移します)

タイアップ事例 エコリング様

ハルメクでは動画における企業様の事例も拡大しています。リユース事業を行うエコリング様とハルメク読者限定のキャンペーンを行った際、HALMEK up内で短尺動画を作成しました。さらに動画視聴後のボタンをクリックすると、エコリング様のキャンペーンページに遷移し、そこでもハルメク読者が買取体験をする様子を動画で見ることができる設計になっています。

(画像をクリックすると動画の再生ページに遷移します)

エコリング様 キャンペーンページ

まとめ

シニア女性にとって動画は、短尺から本格的なコンテンツまで多様に楽しむ姿が見え、生活に自然と溶け込んでいることがわかりました。暮らしの情報源や買い物のきっかけにもなってきていて、「健康」「美容」「お金」など身近なテーマは高い共感を呼び、ブランド認知や購買意欲にも直結しています。
シニア向けの動画制作のポイントは、字幕や短尺構成、同世代のキャスティングといった工夫を施すことが効果的です。さらに動画とECを連動させる仕組みづくりは、今後ますます重要になるでしょう。

シニア×動画のアプローチならハルメクに

ハルメクグループは、50代以上の女性に特化した豊富な会員基盤と、独自調査に基づく深いインサイトを強みとしています。これまで培ってきた知見を活かし、生活者理解を基盤とした確かな戦略をもとに、動画広告の出稿設計からSNS向けの動画制作など、一貫してサポートしています。
シニア女性をターゲットとした効果的なマーケティングをご検討中の企業様は、弊社の動画の成功事例をまとめた資料をご覧いただき、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者プロフィール

生きかた上手研究所

生きかた上手研究所

ハルメク生きかた上手研究所は、雑誌「ハルメク」の全月刊誌販売部数No.1達成(※)を支えた社内シンクタンクです。「ハルメク」から生まれた4,900人を超えるハルメクモニター(通称:ハルトモ)とのつながりを起点に、コンテンツ・商品・サービスの開発につなげています。

※日本ABC協会発行社レポート2024年1月~6月

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