シニアマーケティングの最新成功事例7選。戦略づくりのポイント解説

超高齢社会を迎え、シニア市場への注目が高まっています。シニア世代は豊かな経験と確かな購買力を持ち、企業にとって大きな成長機会です。一方で価値観や生活スタイルは多様化しており、若年層と同じ手法は通用しにくいのも現実。いま必要なのは、シニアの生活文脈に寄り添う設計です。

本記事では、シニア支援に強いハルメクグループの伴走実績から「最新成功事例7社」を厳選。リアルな勝ち筋を、戦略づくりのヒントとともに紹介します。

目次

シニアマーケティングとは

シニアマーケティングとは、60歳(場合により65歳)以上を主対象に、その価値観・行動特性に即して設計するマーケティングです。人生100年時代のいま、年齢だけで“一括り”にしないことが重要。属性だけでなく、健康状態・家族構成・デジタル親和性など複数軸で理解し、共感と信頼を獲得するアプローチが求められます。

とくに大切なのは、商品・コミュニケーション設計で「健康的で暮らしが良くなる価値」を具体的に提示する視点。ハルメクグループは長年、「50代からの女性がよりよく生きる」ための価値創造に取り組み、販売促進を超えた“共創”の姿勢をマーケティングに組み込んでいます。

シニアマーケティングの重要性

2025年には日本の総人口の約30%が65歳以上となる見込みであり、シニア世代の需要は今後も高まると予測されています。また、さらに家計金融資産の6割超を60代以上が保有(総務省「全国家計構造調査)し、強い購買力を持ちます。消費は子や孫へも波及し、市場全体への影響は大きい一方、「シニア=一枚岩」ではないため画一施策は機能しません。

活動的なアクティブ層もいれば、健康不安を抱える層もいる――必要とする価値は異なるのです。だからこそ、細分化したターゲティングと文脈適合の設計が必須。 シニアマーケティングへ計画的に取り組むことは、中長期の成長エンジンになります。

ハルメクのシニアマーケティングの特徴

ハルメクは、全雑誌発行部数No.1(※)であるシニア女性誌『ハルメク』を中心にシニア向け事業を展開しており、その一つにBtoB向け領域としてシニア専門のマーケティング支援を提供しています。

※定期購読者46.7万人:日本ABC協会発行社レポート(2024年7月~12月)より

圧倒的なリーチ力と信頼性

雑誌『ハルメク』は全雑誌の中で発行部数No.1を誇り、現在の読者数は約47万人。定期購読制で読者との結びつきが強く、高い信頼にもとづく効率的なリーチと接触頻度を確保できます。

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豊富なデータと調査力

ハルメクでは年間1万人超の独自調査を行っており、社内シンクタンク「生きかた上手研究所」、読者モニター「ハルトモ」の生の声により、インサイトを起点にした企画立案が可能です。

共感を生む編集・コンテンツ制作力

ハルメク誌は、シニア心理に寄り添ったストーリーテリングや読みやすい誌面構成に定評があります。単に商品情報を伝えるのではなく、「読んでためになる・共感できる」コンテンツを作り込むことでシニアの心を動かすことで、広告記事であっても読者に自然と読まれ、響く内容に仕上げる編集力が強みです。

オンライン・オフライン一気通貫の支援

ハルメクは雑誌だけでなく、自社オンラインメディアのHALMEK up通販事業リアルイベントなど多彩な事業チャネルを展開しています。このため、紙とデジタルを組み合わせたクロスメディア提案や、リアル接点を活かした体験イベントの企画までワンストップで支援できます。単なる広告枠提供に留まらず、企画立案から効果測定まで伴走することで、企業のマーケティング施策を包括的にサポートできる点が大きな特徴です。

上記のような強みを活かし、ハルメクグループは「シニアに届いて動かす」マーケティングを実現するパートナーとして多くの企業と共創しています。次に、実際にハルメクグループが企業を支援し成功を収めた8つの事例を、「実施した内容」「成果」「成功要因」の観点でご紹介します。

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シニアマーケティング サポート事例7選:最新成功事例と戦略のポイント

ゆうちょ銀行:アプリ移行を促す体験設計とフォロー施策

ゆうちょ銀行は、高齢者の通帳アプリの利用促進が課題でした。そのため、シニアのUIに知見があるハルメクと一緒に、まずシニア顧客のユーザーテストを実施し、スマホ操作でどこにつまずくか可視化。そこで得た洞察に基づき、「ダウンロード~認証~口座連携」の初期設定を丁寧に解説したガイドブックを制作し、全国の郵便局で約90万部配布しました。

さらに、雑誌『ハルメク』のタイアップ広告でテストで得られた体験談を掲載し、「自分にもできそう」と共感を喚起。その雑誌とガイドブックを支店で雑誌とガイドブックをセットで設置し、信頼感を補強。ハルメクのブランドロゴも活用しました。

最後に、東京KITTEにて体験イベントを開催。実際のアプリ操作やATM操作をスタッフが対面フォローし、シニアが安心してデジタル体験できる場を提供することで、大きな反響と成果が得られました。

詳しくは、以下個別事例をご覧ください。



世田谷区:シニア就活啓発冊子で“もう一度働きたい”を後押し

東京都世田谷区では、高齢者の就労支援情報が当事者に届いていない課題がありました。
そこで区は、シニア向け就職啓発冊子の制作をハルメクに依頼。ターゲットは「興味はあるが一歩踏み出せない55歳以上」と設定し、伝わる工夫を凝らした冊子を作成し、区内の図書館などで配布したところすぐに在庫切れ状態に。

必要な情報を伝え、行動を起こしてもらうために必要だったのはどんな情報か?詳しくは以下をご確認いただき、シニアに届くために具体的な工夫とは何なのかをお確かめください。



マルホ:巻き爪治療啓発でWeb誘導30%超・イベント来場120%達成

シニアにとって興味の高い分野である健康関連の認知啓発施策で、非常に効果が高かった事例です。

皮膚科領域の製薬会社マルホは、巻き爪治療の認知啓発のために、ハルメクの様々なアセットを活用して、治療そのもの”でなく「治して実現したい生活」を啓発しました。

当初課題だった「シニア女性に響くメッセージが分からない」という点に対し、雑誌『ハルメク』に巻き爪治療のタイアップ記事を掲載し、同時に読者向けのリアルイベント「巻き爪フェア」を開催し誘導。イベントでは専門医による講演や体験ブースを用意し、参加者からアンケートで悩みの声を収集する場も設けました。

また、雑誌よりも若い層向け「ハルメク365」(※現HALMEK up)上で巻き爪に関する特集記事を連載し、興味喚起することで専門サイトへ誘導も行うなど、オンライン・オフライン融合施策で、多角的に巻き爪治療の啓発を行いました。



日本ケロッグ:シニア市場向け新商品「オートミールごはん」の開発と訴求

シリアル食品大手の日本ケロッグは、シニア向け商品開発にハルメク読者の知見を活用しました。人口減少と高齢化に対応すべく、主力のシリアルでシニア市場を開拓するための課題を抱えており、ハルメクに調査・プロモーション支援を依頼。

調査の結果、「期待以上のインサイトが得られた」とケロッグ側も手応えを感じ、商品コンセプト策定に活かし開発されたシニア向け新商品『オートミールごはん』は、「短時間で簡単」「食物繊維豊富で糖質控えめ(健康的)」「おいしく主食になる」というシニアの声を反映した特徴を備えた内容となりました。

さらに、そのプロモーションとして、雑誌「ハルメク」とWEB「ハルメク365」(※現HALMEK up)で広告展開を実施。「時短・健康・おいしさ」の切り口で誌面にレシピ紹介やプレゼント企画なども盛り込むことによって大きな反響を得ました。

「シンプルなお葬式」:SEOコンテンツでCVRと集客を向上

東京都多摩エリアを中心に事業を展開しているSOUデザイン「シンプルなお葬式」は、当初リスティング広告中心の集客に行っていました。

しかし年々CPC(クリック単価)が上昇し1クリック1000円近くになるなど費用対効果が悪化。広告依存では出稿を止めれば効果も途絶えるという課題も顕在化するなかで、持続的に効果を積み上げられるSEO対策となる自社オウンドメディアの制作運用を、ハルメクに依頼いただいたきました。

ハルメクの運営するオンラインメディア「HALMEK up」で培った知見を活用し、シニア読者に響くテーマ選定や記事構成にも反映させ、シニアの可読性にサイトユーザビリティにより、サイトのSEOパフォーマンスが飛躍的に向上しました。



日清食品:タイアップ広告で過去最多1,300件の応募を獲得

大手食品メーカーの日清食品は、カップ麺『日清麺職人』のプロモーションでハルメクのアセットを活用しました。当時の課題は、TV広告以外でターゲット(50~60代女性)へのリーチを拡大し、「おいしくて罪悪感の少ないカップ麺」というブランドイメージを確立することでした。

まず社内シンクタンクである、生きかた上手研究所の調査データから、シニア女性の昼食実態やニーズを徹底スタディし、導き出したコンセプトは「カップ麺だけど罪悪感なし」。

誌面では、それを生かしたキャッチコピーを大きく配置して目に留まるよう工夫し、読者モニター(ハルトモ)の食べた感想コメントも掲載してリアリティと安心感を添えて展開。
また誌面にプレゼント応募ハガキを設け、読者の声を集める仕掛けも組み込むことで、大きな反響を得ることができました。



メガネトップ:共同開発メガネ「アイグレース」で“欲しい”を形に

大手眼鏡チェーン「眼鏡市場」を運営するメガネトップは、60歳前後のシニア女性顧客の減少という課題に直面していました。

シニア層に“本当に欲しいメガネ”を提供するため、ハルメクと1年かけて共同商品開発に取り組みました。そのプロジェクトで生まれたのがシニア女性向けメガネフレーム「Igrace(アイグレース)」です。

具体的な過程や、開発にあたってヒントとなったポイント、成果については以下をご確認ください。

まとめ

超高齢社会の日本において、シニアマーケティングは企業の成長戦略として不可欠な要素となっています。今回紹介した7つの事例はいずれも、シニア顧客の本音に向き合い、ニーズを的確に捉えた施策を展開することで大きな成果を上げた成功例です。共通するポイントは、「シニアを深く理解し、寄り添うこと」。年齢や固定観念にとらわれず、ペルソナ設定や調査を通じてシニア像を具体化し、その声を商品やサービス、メッセージに反映することが重要です。

企業がシニア市場で成功を収めるには、自社だけでなく専門知見を持つパートナーと組み、共創の視点で戦略を練ることが近道です。シニアマーケティングは単なるニッチ戦略ではなく、日本全体の消費動向を左右し得る重要な領域といえるでしょう。

今回の成功事例を踏まえ、自社の課題に当てはめて考えることで、新たな施策のヒントが見えてくるかもしれません。少子高齢化が進む中、「シニアに選ばれる企業」であり続けるために、ぜひ積極的にハルメクグループのアセットをぜひご活用ください。

生きかた上手研究所などの最新の調査事例もございますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングラボ事務局

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