シニアマーケティングの常識が変わる!「老い」を新しい価値に転換する参加型ワークショップ開催レポート

2025年11月13日(木) ハルメクスタジオにて、参加型ワークショップ『「老い」のビジネスデザイン』を開催いたしました。

当日は、シニア市場に関心を持つ企業の皆さまと、「ハルトモ(ハルメクのモニター)」 が一堂に会し、有料セミナーであったにもかかわらず、30名限定の募集は満席となりました。今回のワークショップでは、「老い」を課題ではなく新しい価値として捉え直し、企業と生活者が共に未来のシニア市場を描く、刺激的な対話の場となりました。本記事では、その概要をまとめてご報告いたします。

目次

ワークショップ概要

本セミナーは、企業参加者がハルメクのモニターであるハルトモさんと共に学ぶ参加型ワークショップとして開催。参加者には大阪からの来場者も含まれ、多様な業種・立場の方が集まりました。

セミナーのテーマは、老いを「Pain(不安・喪失)」と「Gain(成長・獲得)」の両面から捉え直し、生きかた研究所が蓄積してきた実践知と企業の挑戦知を融合させることでした。

第一部では梅津が「老いとは何か、加齢とは何か」について講演。

第二部では企業参加者とハルトモさん、生きかた研究所のスタッフも参加。ワークショップを通じて、新しいアイデアや戦略の芽が次々と生まれる、活気に満ちた時間となりました。

セミナーアジェンダ

第1部:講演「老化とは何か、加齢とは何か」

  • 老いの歴史
  • 現代の老い
  • 老いの不安
  • エイジングの意味

第2部:ワークショップ(哲学カフェ形式)

  • テーマ1:老いとは何か?加齢とは何か?
  • テーマ2:老いをビジネスにつなげるには?

第一部「老い」の本質を問い直す

第一部では、梅津が登壇し、「老化」と「加齢」という一見似た概念の違いについて、新たな視点を提示する講演が行われました。

歴史が教える「老い」の多様な捉え方

古代ローマのキケロから室町時代の世阿弥まで、歴史を紐解きながら「老い」がどのように捉えられてきたかを振り返る内容で、時代や文化によって「老い」の価値が異なることが示されました。

現代の「老い」イメージと実態のギャップ

現代社会における「老い」のイメージと、実際のシニア女性の意識には大きなギャップがあることが明らかに。主に以下のような気づきが共有されました。

  • 社会が抱く「老い」のステレオタイプと、当事者の実感は異なる
  • 「Pain(不安・喪失)」だけでなく「Gain(成長・獲得)」の側面も存在する
  • 固定観念を問い直すことで、新たなビジネス機会が見えてくる

参加者それぞれが自身の固定観念を問い直すきっかけとなった講演となりました。


第二部「哲学カフェ」形式で深める対話と思考

第二部は哲学カフェ形式のワークショップとして展開されました。

参加者は5〜6名のグループに分かれ、「老いとは何か」「老いをビジネスにつなげるには」というテーマについて自由に対話を重ねました。

コミュニティボールを手にした人が発言するというルールのもと、企業参加者とハルトモが率直に意見を交わす様子が印象的でした。

各グループの発表

各グループからの発表では、多様な視点から「老い」が語られました。

あるグループは「老化と恋愛」という意外な切り口から議論を展開し、会場を沸かせました。別のグループは「Pain」と「Gain」の両面から老いを捉え直すことで、新しいビジネスチャンスの可能性を探りました。

短い時間ながら、各グループが独自の問いを立て、深い対話を行ったことが伝わる発表となりました。

参加者の感想

参加者から寄せられた感想の一部をご紹介します。

「さまざまな業種、立場の方と同じ課題に対して意見を交わすことで、たくさんの立場・視点からの『老い』を考え、知ることができました」


「複数の方と話すことができて非常に学びとなりました。5つのグループの発表を聞いて、同じテーマでもいろいろな意見が出て面白く、興味深く感じることができました」


「シニア女性をターゲットにした商品を手掛けているが、そのターゲットと直接会話できたのがよかった」


「さまざまな企業の方のアイデアを聞くことができて刺激になった。『老化と恋愛』というテーマはとても面白かった」


「普段こういった視点ではなかなかお話できない方々とお話でき、意見を聞け、とても有意義でした。ハルトモさんがもっといらっしゃるとうれしかったです!」


「さまざまな年代の方とハルトモさんを通して、高齢者に対する考え方・生き方の見方が少し変わったと思います」

参加してくださった皆さま、感想を寄せてくださった皆さまに感謝申し上げます。

まとめ「老いのビジネスデザインとは」

▼当日のグラフィックレコーディング▼

今回のセミナーを通じて明らかになったのは、「老い」を単なる課題として捉えるのではなく、価値創造の機会として捉え直す視点の重要性でした。

従来の「Pain解決型」アプローチの限界を認識する

健康不安や身体機能の低下といった「不安・喪失」の解決に焦点を当ててきた従来型マーケティング。しかし企業が想定する「シニア像」と、本人の自己認識には大きなギャップがあります。

「Gain創造型」アプローチが、新たな市場機会を切り拓く

経験の蓄積を活かした新たな挑戦や、人生の熟成がもたらす精神的余裕。課題解決ではなく「成長・獲得」に着目することで、まったく新しいビジネスチャンスが見えてきます。

企業とシニアの対話が、双方の思い込みを解きほぐす

企業側の「シニアはこう思っているはず」という仮説と、シニア側の「企業はこう見ているはず」という推測。これらを確かめ、修正していくプロセスこそが、真にシニアに響く商品やサービスを生み出す第一歩となります。

ハルメク生きかた上手研究所では、今後もこうした「知の対話勉強会」を継続的に開催していく予定です。

シニアマーケットの攻略をめざす方、新しい視点や発想を求めている方、シニアインサイトを深掘りしたい方にとって、このセミナーシリーズは貴重な学びと気づきの場となるでしょう。次回開催の際には、ぜひご参加をご検討ください。

詳細については本サイト、または弊社発行のメールマガジンにて案内予定です。

また、セミナーに限らず個別でシニアマーケティングに関する相談も承っております。貴社ビジネスに関するお悩みや課題などございましたら、お気軽にお問い合せください。

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この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

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