2019.08.23
シニアマーケティングノウハウ“引き上げCRM”はオファーに頼りすぎることなかれ
(株)ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役の木船より、シニアマーケティングにまつわるお話をさせていただきまます。今回は「“引き上げCRM”はオファーに頼りすぎることなかれ」です。
目次
価格訴求をしてしまっている企業様があまりにも多い
“引き上げCRM”施策における各STEPにおいて、お客様を次のSTEPに引き上げるために販促担当者様は大いに悩まれると思います。
“初回は半額にしよう” “来店特典のお土産を豪華にしよう”“抽選で100人に1人はタダにしよう。”などなど。他社の販促活動を参考にして、予算の範囲内でいろいろ検討される方がほとんどでしょう。
この時に留意したいのが、次のSTEPに行くためのハードルは何かを洗い出すことです。
ここを怠っているうえに、価格訴求をしてしまっている企業様があまりにも多いという感覚をもっています。
“初回半額!初回80%OFF!”…で、現場は疲弊
“初回半額!初回80%OFF!”などは、通販企業様などを例にとると多く見られたりしますが、顧客心理としては価格信頼性が薄れ、原価はそんなものかという白けた目で見られてしまう可能性もあります。
販促担当者は、エクセル上の歩留り数値だけで顧客を捉え、コールセンターには解約の入電がたんまりきて、応酬話法(リバトル)を組み立て、架電を行う現場は疲弊・・・
そんなことが実際にあったりします。
金銭オファーで喜んでいるのはつまみぐい好きなチェリー・ピッカーだけ!?
次のSTEPに行くためのハードルを把握することは業界業種問わず重要なことです。
例えば、弊社がご支援している不動産系企業様では、顧客に現地を見学していただくことが命題のひとつですが、見学予約までいくつかのハードルがあります。
時間や距離はもちろん、配偶者の説得といった大きな要素以上に、「行ったら営業から強い売込みをうけるかもしれない」という心理的なハードルが上位にでてきます。
それなのに来店誘導の金銭オファーを更に積み上げてしまうと、その恐怖が上がってしまい、心理的ハードルが高くなる恐れがあるのです。
喜んでいるのはつまみぐい好きなチェリー・ピッカーだけ。・・・などということもありますので、よくお客様の実態を把握することをお勧めいたします。
ハルメクで行ったプロモーション事例
ここではクライアント様の事例をあまり話すこともできないので、ハルメクの事例をご紹介します。
ハルメクでは、オリジナルのインナーを企画販売していますが、毎号カタログで掲載していても見向きもしてくれない方がいらっしゃいます。
この方たちの未購入の理由を探っていくと、様々な理由がわかってきました。
その中で「“涼しいインナー”ってカタログには書いてあるけど本当に涼しいのかわからない」というような肌着ならではの素材に対する不安や疑問の声が多くあることがわかりました。
そこでハルメクでは、インナー未購入者に限定したプロモーションを行いました。
いくつかのハードルを下げるオファーの提示にプラスして、チラシに、スワッチ(生地見本を6cm角程度に切ったもの)を添付し、手で触って肌触りを確かめていただける施策を取り入れたのです。
心理ハードルを徹底的に洗い出し、消すために一体何ができるかを徹底的に考え抜く
そして、この施策は、続けています。ということはROIも想像いただけるかと思います。
このように、次のSTEPに行くための心理ハードルを徹底的に洗い出し、それを消すための作業で一体何ができるかを徹底的に考え抜くのがマーケティング担当の役割です。商品の安売りを安易にしていませんか?
どうか一度、これまでの施策を振り返ってみてください。
■木船 信義(きふね しんぎ)
株式会社 ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役
らでぃっしゅぼーや株式会社(現:オイシックス・ラ・大地)で11年間。マーケティング課長、経営企画課長を経験。
2014年、いきいき(現ハルメク)入社。 CRMマーケティング責任者、新規事業開発責任者を歴任。2018年4月に、シニア特化型マーケティングコンサルティング会社、株式会社ハルメク・エイジマーケティングを設立し代表取締役に就任。
株式会社ハルメク・エイジマーケティング
https://halmek-agemarketing.co.jp/
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この記事の監修者プロフィール
木船 信義
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