ADL
ADLの意味/解説/説明
ADL(Activities of Daily Living)とは、人が日常生活を送る上で最低限必要とされる基本的な動作の能力のことをいう。
これには、起居動作、移乗(ベッドや椅子からの起き上がりや座る動作)、移動(歩行や階段の上り下り)、食事、更衣(服の着脱)、排泄、入浴、整容(身だしなみ)などの基本的な日常動作が含まれる。
ADLは、高齢者や障害を持つ人の自立度やケアの必要性を評価するために用いられる指標となっている。その人ができる行動、できない行動、している行動、していない行動を把握し、必要な支援や介護サービスの計画に役立てられている。
ADLの低下は、健康状態の悪化や生活の質の低下に直接つながるため、予防や改善に向けた取り組みが非常に重要である。適切な運動や栄養管理、日常生活の中での工夫や支援サービスの活用などが、ADLの維持や向上に寄与する。
ADLの歴史など
1963年に、基本的なADL(食事、排泄、更衣、入浴、移動、移乗)の評価として、Katz Indexと呼ばれる評価表が開発された。
1969年には、手段的ADL(買い物、調理、掃除、洗濯、金銭管理、交通手段の利用、服薬管理、電話の使用)の評価についての、Lawton and Brody IADLと呼ばれる評価表が開発された。
日本では、1993年に成立した 「高齢者の介護保険に関する法律」で、「介護保険サービスの必要度判定は、日常生活動作及び手段的日常生活動作の状況並びに認知機能の状況を考慮して行うものとする。」と定められ、 ADL評価は、介護保険制度におけるサービスの必要度判定の重要な指標の一つとして、法律で正式に採用された。
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