【最新調査】リフォームのきっかけは?シニアの住まい・リフォーム事情・ニーズを解説

自宅に住み続けたいけれど、自分の年齢とともに家の老朽化もすすみ、修繕が必要と感じているシニアは少なくありません。また、これからのライフスタイルに合ったわが家にするリフォームを思い描いているシニアもいることでしょう。

この記事では、ハルメク生きかた上手研究所による「シニア(55〜79歳)のリフォーム調査2023レポート」の概要を紹介します。「住宅のどこに不満をいだいているのか」「リフォームのきっかけとなる出来事は何か」「これから行いたいリフォームや修繕箇所はどこか」など、シニアのリフォーム事情に迫ります。調査結果を参考にシニア層の住まいに関するニーズや行動を把握し、マーケティング戦略にご活用ください。


〜2023年調査概要〜
調査手法:Webアンケート調査
調査期間:2023年8月29日〜8月30日
調査対象:全国の55〜79歳男女2,000名
※高齢者向け住宅居住者を除く
調査主体:株式会社ハルメクホールディングス ハルメク生きかた上手研究所

目次

年齢を重ねることで感じる住まいの不便・不満・不安

1位は「庭の手入れが大変」で、22.3%でした。草むしりや落ち葉の掃除、庭木の剪定などは時間もエネルギーも必要です。庭の手入れは足腰への負担も大きく、無理をすれば怪我のリスクも高まるでしょう。年齢を重ねるほど、転倒や怪我が引き金となって体力が急激に低下することもあり、それだけに「不安」と感じる人も多いのかもしれません。寒い冬や真夏の作業は健康被害を生む可能性もあります。日常的に「面倒」「大変」「手間がかかる」と感じやすい面もあり、そのため「庭の手入れ」が不便や不満のトップに入ってきたのではないでしょうか。

続く2位は「外壁や屋根、窓やドアなどの老朽化が心配」で、18.8%という結果になりました。長年にわたる使用や気候条件などにより、家が徐々に劣化していくことは避けられません。屋根の傷み、壁のひび割れなどが放置されると、家の安全性にも関わります。家族の安心・安全を脅かす深刻な事態になりかねないこともあり、需要が顕在化しやすいと考えられます。

シニアの不満や不便を把握した上で、それらを解消する具体的な提案や、リフォーム後に得られる「安心」「満足」を過不足なくアピールできるかが重要なポイントとなるでしょう。なお、6位以下の詳細なデータはこちらからダウンロードできます。

住み替え・建て替え・リフォームのきっかけ

では、実際にリフォームや建て替えを行ったシニアの「きっかけ」について見ていきましょう。

もっとも多かったのが「住居・設備・機器・構造部分の老朽化、故障、破損」で37.1%でした。2番目に多い「水回りや家事動線の使い勝手が悪い」は11.7%ですから、老朽化や故障がきっかけでリフォーム等を行ったケースが突出して多いことがわかります。破損や故障などのトラブルで日常生活に支障をきたし、必要に迫られてリフォームや修繕を行うケースが多いのではと推察できます。

しかし、トラブルが起きた後での対応は、大ごとになりがちです。たとえば、実際に雨漏りがひどくなってからでは、雨漏りの修繕だけでなく壁紙など内装関連の修復も必要になるかもしれません。

住環境の経年劣化は修繕に直結するもので、どこかの段階で対応が必要となります。早めの修繕・リフォームによって費用も時間も節約でき、安全性や安心感を得られる点を、具体的に伝えることも大切になるでしょう。

2位の「水回りや家事動線の使い勝手が悪い」は、暮らしやすさへの要望です。故障や破損は修繕の必要性がわかりやすく、要望も明確になりやすい面があります。しかし「快適」「暮らしやすい」というのは、人それぞれ違います。

よりコンパクトにして掃除しやすく清潔に保てるキッチンにしたい場合もあれば、逆にセカンドライフではキッチンを広くして趣味の料理を楽しみたいということもあるでしょう。バリアフリーなど、自宅に住み続けるために安全面に配慮したリフォームを希望する方もいるでしょう。「これからの暮らし」に何を望んでいるかをしっかりとヒアリングした上で、セカンドライフにおける快適な生活シーンがイメージできる提案なら、受け入れやすいのではないでしょうか。顧客の視点に立って考え、シニアとひとくくりにせず、ひとりひとりが求める価値を提供することが重要です。 

リフォームの経験ありは45.3%、費用総額平均は?

リフォーム経験者は全体の45.3%です。 費用の総額平均は、金額回答者ベースで平均約383.0万円です。

リフォームの費用は決して安くありません。リフォーム業者は数多く存在し、また、残念ながら悪徳リフォーム会社、特にシニアを狙った悪質な業者もいます。大切な老後資金から「まとまった金額」を支払うことを考慮すれば、業者の選定に慎重な姿勢を見せることは容易に想像できます。

そこで重要になるのがコミュニケーションです。リフォームの重要性やメリット、具体的な施工内容などについて十分な情報を伝え、費用や施工後のメンテナンスなどについても明確に説明しましょう。過去の実績や事例を見せてわかりやすく解説することで信用を獲得できる可能性も高まります。顧客との良好な関係とコミュニケーションによって、潜在需要を顕在化し、要望にプラスした幅広い提案も可能になります。

コミュニケーションは、顧客との絆を深めるための重要な手段です。シニアが安心して相談できるパートナーシップを構築し、コミュニケーションを深めるためには、相手の考えや価値観などを共有することが大切です。シニアがリフォームに関してどのような考えを持っているのか、事前の情報収集として、今回の調査結果をぜひ活用してください。実際のグラフは資料をダウンロードしてご確認ください。

最近5年間の実施率と今後の意向率から見えてくる拡大が予測されるリフォーム分野とは?

最近5年間に実施したリフォーム関連、今後の意向率についても調査いたしました。実際に行ったリフォームでは、トイレがもっとも多く13.5%です。トイレが古くて汚いと不快ですし、子どもや孫が来た時に嫌がられるといったことも理由としてありそうです。今後リフォームしたい意向があるのは、浴室がトップで12.1%となっています。水回り関係は老朽化で不便さが増し、汚れも目立つようになります。また、年齢と共にヒートショックへの不安、お風呂場での転倒などが気にかかり、安全性の面からもリフォームを行いたい意向のあるシニアが多いのではと推測できます。

今回の記事では掲載していませんが、「今後、買い足したい、あるいは買い替えたい、工事・修繕したい」意向率が、実施率を上回るものとして注目したいのが、防犯設備です。昨今は、高齢者住宅を狙った犯罪も増加傾向にあり、ひとり暮らしであれば不安もさらに増すことから、こうした工事の市場拡大が予測されます。現時点では割合は低いものの、意向率が実施率を上回る項目は複数あり、成長が見込まれることから注視していきたい点です。これらについては、ぜひ調査資料の詳細をダウンロードし、ご確認ください。

シニア(55〜79歳)のリフォーム調査2023レポートはこちら!

リフォーム業者は、工務店や住宅メーカーだけでなく、家電量販店の進出など異業種からの参入もあり、ライバルの多い業界です。その中で、独自の価値提案やメッセージを伝えることで他社との差別化を図るためにも、市場や顧客層の動向を把握し、ニーズを理解することは重要です。

シニア領域に特化した今回の調査結果をさまざまに活用し、シニアに向けた効果的なマーケティング戦略にぜひ役立ててください。

ご紹介したのは、シニア(5579歳)のリフォーム調査2023レポートのごく一部です。調査概要やグラフなどをまとめたサマリーデータは以下より、ダウンロードしていただけます。

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この記事の監修者プロフィール

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ハルメク生きかた上手研究所は、雑誌「ハルメク」の全月刊誌販売部数No.1達成(※)を支えた社内シンクタンクです。「ハルメク」から生まれた4,600人を超えるハルメクモニター(通称:ハルトモ)とのつながりを起点に、コンテンツ・商品・サービスの開発につなげています。

※日本ABC協会発行社レポート2023年7月~12月

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