やりがち行動２「フォームは全部入力したがる。任意項目も入力。エラーが続くと挫折」

前編でも触れましたが、シニアはパソコンでも、スマホでも入力が苦手です。そのため、入力の多いフォーム画面を前に緊張し、このミッションをどうクリアしようか、覚悟を決めているようにも見えます。さらに、入力項目が必須だろうと任意だろうと関係がありません。とにかく、一つずつ難問をクリアしていくかのように、上から順番に入力していきます。郵便番号は半角、住所の番地は全角で入力なんて、とても高いハードルです。「半角にしてください」、「全角にしてください」、とそんなことで何度もエラーが続くと、がっかりします。特に「送信後のエラー」は挫折ポイントです。ようやくクリアしたと思ったミッションが最後の最後でダメだったわけですから。この挫折によって、せっかく申し込みまでこぎつけたのに、あきらめることもしばしば。そうした状況を防ぐために、対策すべきポイントは、以下の２点です。

〈１〉入力項目はすべて入力しなければいけないと思っている

シニアは入力が苦手にもかかわらず、全ての項目に入力しようとします。任意項目でも同様です。入力しないとエラーになってしまうかもしれないという恐怖感からでしょうか。ところが、任意項目でのエラーがかえって、シニアを恐怖に陥れることも。不要な任意項目で、せっかく「商品を購入しよう」「旅行を予約しよう」とフォームまでたどり着いたシニアのお客様を逃してしまっていませんか。今一度、フォーム内の項目一つ一つが本当に必要か見直してみてください。実は今回のユーザーテストで電話番号の下のFAX番号（任意項目）の入力欄に「同上」と全角で入力してエラーになっているシニアの方がいらっしゃいました。テストでなく本当に商品を購入しようとしているお客様を、そんなことで逃がしていたら笑えないですよね。

〈２〉エラーが続くとあきらめてしまう

シニアはエラーに弱いです。エラーが続くと「だからもう嫌なのよ」とあきらめてしまいます。入力フォームの数字は半角や全角の切り替えをユーザーにさせるのではなく、自動変換で処理すべきです。また、入力欄の近くにわかりやすく入力例を提示したり、入力時のエラーは、入力直後にその場で表示したりするなど、送信や決定ボタンを押す前に、エラーがわかるように対策することがベストです。入力しようとするシニアに寄り添ってサポートし、あきらめさないことが入力フォームには欠かせません。
シニアにとってEFO（エントリーフォームの最適化）は本当に大切です。
是非、シニア視点で見直してみてください。

ユーザーテストを終えて

シニアは想像以上に「デジタルを使いこなしたい」「WEBサイトで目的を達成したい」という想いが強いです。
しかし、文字入力が苦手でミスが多く、きちんと説明がないと、どこをクリックしていいかもわからないというのも事実。そして、何度かやってできないと面倒になって、あきらめてしまいます。
本当は、検索して必要な情報を見つけたい、お気に入りのお店を予約したい、欲しかった商品を購入したい……。そんな思いでWEBサイトに向き合っています。
だから、自分がその目的を達成できたとき、とても喜び、すごく嬉しがります。
そして、そのWEBサイトやブランド、企業に良い印象を抱き、好きになります。
「WEBサイトで、デジタル上で、どのように丁寧に接客をするのか、おもてなしをするのか。そのブランド体験がファンを生み、ずっと使い続けてくれるファンになる」
これは、シニアに限った話ではないですが、シニアにおいては特に大切なことだと感じています。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

以下のリンクより「【抜粋版】シニアのWEB行動やりがち20選」の資料をダウンロードできます。