ミドルエイジ・ミドル世代とは何歳の人たちを指すのか 

ミドルエイジ・ミドル世代は、世間一般では30代後半から50代を指すことが多いようです。しかし、ミドルエイジ・ミドル世代の明確な定義はなく、時代や状況、調査機関や企業によって対象となる年齢は異なります。辞書定義と求人市場・学術的な定義ではどう扱われているのか、それぞれをみてみます。 

ミドルエイジの辞書定義

まずは辞書定義から確認してみると、デジタル大辞泉ではミドルエイジを「中年。40歳から60歳ぐらいまでをさす。」としています。

求人市場における範囲

では、求人市場ではどうでしょうか。 dodaでは35歳～54歳の求人を「ミドルキャリア求人」としてカテゴライズ、マイナビでは転職調査においては30～50代をミドル世代、リクナビNEXTやリクルートエージェントではミドル層を35歳～54歳としているなど、ミドルが指し示す年代はメディアにより異なっています。 

しかし、30代後半から50代をミドル世代として扱うことが多いようです。 

学術的な定義 

学術的な定義では、学者によって異なりますが、約40歳から65歳をミドルエイジとしているようです。 

そのほかの呼び方

そのほかに、ハルメクが得意とするミドルからシニア層のことを示す、”ミドルシニア”という「ミドル」と「シニア」を併せた一般的には中高年を指す呼び方があります。厳密な定義はありませんが、その名のとおり40代から60代ぐらいまでを対象としています。

ミドルエイジ・ミドル世代と言われた人たちの時代背景、特徴 

2024年におけるミドルエイジ・ミドル世代の時代背景に目を向けてみると、この世代には、バブル崩壊後の経済停滞期に影響を受けた団塊ジュニア（50歳〜53歳）や就職氷河期世代（およそ42歳から54歳まで）を含み、バブル崩壊後の長期的な経済停滞と急速な社会変化の中で育ったことがわかります。就職氷河期による厳しい雇用環境を経験しているため、経済的不安を抱え結婚・出産を遅らせる傾向にあり、少子化の進行に影響を与えたといわれています。 

また、ライフスタイルでは、テレビゲームやアニメ、アイドル文化などのサブカルチャーに影響を受け、節約志向、地味婚、地味消費といった堅実で無駄遣いを避ける傾向がみられます。さらに、インターネットや携帯電話の普及、デジタル技術の進化が急速に進み、アナログからデジタルへの移行を経験し、これまでと比べ新しい技術への適応力がある世代でもあります。 

ミドルエイジ・ミドル世代が置かれている立場、社会的な役割 

つぎに、ミドルエイジ・ミドル世代が置かれている立場や社会的な役割を、ミドルシニアを調査したハルメク 生きかた上手研究所の調査結果からみてみます。 

〜調査概要〜 
調査名：仕事・ボランティアに関する意識と実態調査2024 
調査方法：WEBアンケート 
調査対象・対象者数：50～79歳の全国のハルトモ（ハルメクのモニター組織）の女性・501名 
調査実施日：2024年3月29日（金）～4月1日（月）　 
調査主体 ：株式会社ハルメク･エイジマーケティング  ハルメク 生きかた上手研究所

就業状況

ミドルエイジ・ミドル世代に含まれる50代は、高い就業率（74.7%）から、家計の主な稼ぎ手として重要な役割を果たしていると推察できます。 

しかしながら、就業者の幸福度が非就業者より低い傾向にあることや、50代は特に「給与額、収入」の不満が高く、「仕事量」「仕事内容」に対する不満も60代に比べて約10ポイント高いことから、金銭面や仕事環境で多く不満を抱えていると考えられます。

ミドルエイジクライシスとは

そんなミドルが抱える問題として、ミドルエイジクライシスがあります。 

ミドルエイジクライシスとは、40代から50代にかけて多くの人が経験する心理的危機で、「ミッドライフ・クライシス」「中年の危機」「第二の思春期」とも呼ばれます。この時期には、自分の人生を振り返り、達成感や満足感に疑問を感じることが多く、精神的に不安定な状態に陥るリスクが高まります。 

ミドルエイジクライシスの特徴

ミドルエイジクライシスは、うつ状態や不安障害に陥るリスクを孕んでいます。思春期に経験するような自己発見と変革のプロセスが再び訪れ、「自分の人生はこれで良かったのか」「これからどう生きていくのか」「新しいことに挑戦したい」など、自分の人生やアイデンティティについて深く問い、葛藤や不安を感じることが特徴です。 

ミドルエイジクライシスの原因 

ミドルエイジクライシスの原因は個人差が大きいですが、40代から50代の女性ではホルモンバランスの変化が、精神的な不安定さを引き起こすと考えられています。また、仕事や家庭での責任の重さや周囲の期待、キャリアの停滞、子どもの独立による虚無感、年齢を意識したことなどが複合的に影響することが多いようです。

心身にける変化については別の調査についても、ご参考ください。

人生の転換期とされる「ミドル」期を乗り越えて、次のステップに進むために新たに始めたいと考えていること

多くの人が「ミドル」期を乗り越えて、次のステップに進むために新たに始めたいと考えていることはどんなことでしょうか。 

2024年の初めに、ハルメク 生きかた上手研究所が調査した50歳以上の女性が選ぶ『2024年中に始めたいこと』から検証してみます。

〜調査概要〜 
調査名：50歳からのハルメク世代に聞く なんでもランキング『2024年中に始めたいこと』  
調査の方法：WEBアンケート 
調査の対象：全国50～86歳の女性 
※能登半島地震により災害救助法が適用された新潟県・富山県・石川県・福井県の市町村は除く 
調査実施日：事前調査 2024年1月30日（火）～2月1日（木） 
本調査 2024年2月13日（火）～2月15日（木） 
回答者数　：事前調査 490名　本調査 449名 
※本調査は50代、60代、70代以上が均等になるよう再集計した。 本文中の回答者数は再集計後の人数。 
調査主体 ：株式会社ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所 

50代の女性の「片付け」や「健康管理」を始めたい希望は、他の年代よりも高く出ています。これは、子育てが一段落し家庭での役割が軽減される層が増えて、ライフステージの変化や体力的な衰えを感じ始めることで、これらへの関心をより高めていると思われます。 

また、50代女性は「仕事」や「新しい習い事や趣味」にも意欲が高く、投資や資産運用にも他の世代よりも関心がありそうです。このことから、経済的な自立と安定を求めながながら、自己成長と充実した生活を追求していると考えられます。デジタルスキルの向上やフィットネス活動にも積極的です。 

これらのことから、ミドルエイジ・ミドル世代の女性たちは、不満はありつつもそれらを乗り越えて、充実した人生の新たなステージを築こうとしている姿が見えてきます。 

まとめ 

ミドルエイジ・ミドル世代は一般的に30代後半から50代を指すことが多いですが、明確な定義はなく、時代や調査機関などによって異なります。 

この世代は、バブル崩壊後の経済停滞期を経験した団塊ジュニアや就職氷河期世代を含み、厳しい雇用環境や経済的不安を抱えています。ライフスタイルではサブカルチャーに影響を受け、節約志向やデジタルへの適応力があるところが特徴です。 

そして社会的役割としては、家計の主な稼ぎ手でもあります。

そうした中、この世代にはミドルエイジクライシスと呼ばれる心理的危機があります。自分の人生やアイデンティティについて深く考えるこの時期を、心身の健康を維持しながら充実感と自己実現を追求することで乗り越えようとしています。 

ミドルエイジ・ミドル世代のマーケティングにはこれらの要素や特徴を踏まえるとが非常に大切となってきます。

ミドルエイジ・ミドル世代女性のインサイトのことならハルメクに

ハルメクでは、ミドルシニアの女性がよりよく生きることを応援して、様々なコンテンツを発信しています。 

対象となる女性のインサイトについても、多くの調査結果や知見を持っています。ミドル世代をターゲットとした企業様で課題をお持ちであれば、お気軽にご相談ください。 

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