コロナ禍のシニア層行動変化に、広告宣伝はこう対応する!

(株)ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役の木船より、シニアマーケティングにまつわるお話をさせていただきます。今回は「コロナ禍のシニア層行動変化に、広告宣伝はこう対応する!」です。


目次

シニアへの意識調査から見えた行動変化とは

この数カ月で、新型コロナウイルスの問題が様々な業種業態へと影響を与えています。
旅行業や、飲食サービスなどの接客業だけでなく、セミナーや見学会などで集客をされていた事業者様も変化への対応が迫られています。

経済活動の一時的な縮小はやむなしではありますが、企業活動を完全停止させることは事実上難しいと思います。

この時期を乗り越えるため、弊社では多数の業界業種で集客、CRMのご支援を行っております。なかでも前述の、セミナーや見学への誘導で集客されていた企業様には、集客ステップの見直しをお勧めしています。
ポイントはお客様の行動変化に対応し、こちら側のアプローチも柔軟に変えることです。

では、どのように対応を変えていくべきか。まずは本題に入る前に、弊社がハルメクユーザーに対して行った「コロナ禍への意識調査」について、お伝えしましょう。


【調査概要】
調査の方法:webアンケート方式 調査の対象:50~85歳の女性
有効回答数:520名 調査実施日:2020年3月17日~20日(オリンピック開催延期発表前)
調査主体:(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
※4月中旬に正式にプレスリリース予定で、詳細レポートは購入可能です。

新型コロナウイルスへの不安が強い人ほど、メディアへの接触時間が増加

コロナウイルスが、シニア層により大きなリスクがあるということもあり、シニアはより積極的に外出を自粛する傾向にありました。今回の調査でも、外出自粛に伴う在宅時間の増加による行動変化が見えています。
外出を控えているため、おそらく手持ち無沙汰もあるのでしょう。スマホやPC、TVの閲覧・視聴時間が、34.8%の方で増加し、新聞・雑誌などのオフラインメディアとの接触時間も28.4%増加しました。
詳しく見てみると、いずれも新型コロナウイルスへの不安が強い人ほど傾向値が高まっていました。

実は広告接触が高まる今、必要な3つのポイント

今、セミナーが実施できない、施設見学ができないなどの理由で、広告を一旦停止している企業様も多いと思いますが、前述のfactからも、実は今こそ広告を目にする機会が増えていることがわかります。つまり、セミナーや見学ができないからと広告を止めるのではなく、集客からコンバージョンまでのフローを柔軟に変化させて対応することを考えるべきなのです。

さて、対応例を簡単に図解するとともに、ポイントを3つお伝えします。(一例です)


ポイント1.セミナーや見学会は、資料発送に切り替える

これまで広告で、セミナーや見学会などに誘導していた企業様は、当面はその誘導先を資料発送に切り替えることをお勧めします。

商材にもよりますが、顧客のニーズが消えているわけではありません。そのため、コロナ禍においても見込みリードはしっかり獲得しておかないと、機会損失につながる恐れがあります。また、コロナ禍終息後、営業を急にはじめても、なかなか顧客が見つからず厳しい状況が続くことになります。
また、新聞、雑誌などの接触時間が明確に増えているように、DMや発送資料などの送付物系もコロナ禍においてよく見られる傾向にあります。

一般的に資料請求客はコンバージョン確度が低い方という色分けをされてきた企業様も多いと思いますが、今回の対応では確度が高い方も含まれてきますので、内容を見直す必要があります。
発送資料の内容で、営業マンが実面で説得するストーリーが再現できているか、再確認をしましょう。
よく見かけるのが、資料を場当たり的に増やしてたがために要素重複が多く、どれから見てよいかわからなくなってしまっているもの。
情報量が多すぎたり、閲読順を定義していなかったりすると、こちらが思った理解に至らないほか、読まずに捨てられてしまうこともありますので、この機会に抜本的に見直しましょう。

ポイント2.アウトバンドコールのコンタクト率アップに注目

顧客に資料到着後、翌日~3日程度を目安に後追い架電が有効だといわれます。さらにコロナ禍による外出自粛の影響により、在宅率が非常に高いので、架電時のコンタクト率が高く、架電効率が劇的に上がっています。

この時意識したいのは、セミナーや見学会で営業スタッフが見せる丁寧さをアウトバウンドコールでも発揮できているか、です。「お送りした資料はお手元に届きましたか?」だけで終わる事務的な案内ではなく、お客様との会話からニーズを顕在化させるトークを確実に盛り込んだスクリプト設計を行ってください。

ポイント3.オンライン説明会、電話相談会、個別相談会に速やかにシフトを!

「電話相談」である程度販売やコンサルティングが可能な商材の場合は、初回アウトバウンドコールの会話の中で、次回コールの日取りを確認し、営業がコンサルティング相談できるようにつなげます。
ものを見せる必要や複数人の説得が必要であれば「説明会」をオンラインで開催し招待するのもよい手法です。
シニア層もだんだんとオンラインへのハードルが下がってきているため、オンライン相談会は有効な手段として弊社でも支援事例が増えてきています。オンライン説明会の満足度評価などを行うことで、精度を上げていくとさらに良いと思います。

電話説明会、オンライン説明会ではどうにもならない、現地現物を見ないと買えない商材(例えば、不動産・お墓・霊園等々)については、One to One営業にシフトしましょう。(対面営業などは行政指針に従うことも大切なポイントです)


上記をまとめると、在宅時間が増えていることを前提に、資料請求へと誘導する。また、その資料の中身は今一度見直しを図り、お客様目線で徹底的に磨き上げる。そこにアウトバウンドコールを追加し、電話相談誘導・オンライン説明会・個別説明営業に誘導していく。これをすすめたあとは、営業スタッフの腕の見せ所です。

企業経営に変化対応は欠かせません。経営は何があっても生き残らないといけません。スピード勝負でこの危機を乗り越えましょう。

木船 信義(きふね しんぎ)

株式会社 ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役
らでぃっしゅぼーや株式会社(現:オイシックス・ラ・大地)で11年間。マーケティング課長等を経験。
2014年、いきいき(現ハルメク)入社。 CRMマーケティング責任者、新規事業開発責任者を歴任。2018年4月に、シニア特化型マーケティングコンサルティング会社、株式会社ハルメク・エイジマーケティングを設立し代表取締役に就任。

株式会社ハルメク・エイジマーケティング
https://halmek-agemarketing.co.jp/

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この記事の監修者プロフィール

木船 信義

木船 信義

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