親と子に意思決定がまたがるライフエンド商材訴求の要諦

(株)ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役の木船より、シニアマーケティングにまつわるお話をさせていただきまます。今回は「親と子に意思決定がまたがるライフエンド商材訴求の要諦」です。


目次

シニア向けコンサルティングサービス

日本人の平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.25歳

50代を過ぎても、30代、40代のような若々しさをキープしている方が多くなってきました。アンチエイジングの努力のなせる業でしょう。
50を過ぎて、自分は元気だけれども、親世代は70代後半~80代にちょうどさしかかるころとなります。

標語として人生「100年時代」と昨今言われてはいますが、2018年の統計では、日本人の平均寿命は、女性が87.32歳、男性が81.25歳であり、親世代は、いわゆる“人生の終末期”にさしかかってきます。

そして、この時期は、ライフエンド系サービス(見守り、介護、葬儀、お墓、相続、等々)の需要が一気に押し寄せてきて、50代の方たちは子育てを終えた方でも、親のことでバタバタと一番忙しいる時期を迎えます。

購買の意思決定者とサービス受益者が違うことが多い

弊社では、シニアの悩みにずっと寄り添ってきた知見を踏まえて、ライフエンド系業界の企業様を多数ご支援しておりますが、この業界には共通するひとつの特徴があります

それは、“購買の意思決定者とサービス受益者が違うことが多い”ということです。

例えば、様々な企業が参入を始めている「見守り事業」。
サービス内容として、下記のタイプなどがあり、独居高齢者の増加も追い風となり、あらゆるサービスが開発されています。

・人が訪問するもの
・電気の使用具合で安否を確認するもの
・スマートスピーカーで話せるもの

いずれも共通するニーズとしては、80歳前後の離れて暮らす親の安否確認をしたいといった思い遣りの表れと言えます。

心理抵抗が発生して契約に至らないケースも

しかし、便利だね、申し込んで即開始!とはなりません。
契約完了までは意外と一筋縄ではないのです。

子世代が申し込み月額利用料を支払うパターンが主流ですが、親の家庭に機器を設置することや、定期的に人が訪問する、定期的に電話がかかってくるなどの行為が発生します。

こういったことがあるため、“見守られる側 ”=“親世代”の許諾確認が発生します。その際に、親の気持ちとしては、「子どもが安心するならいいか」という気持ちと同時に、「自分はまだ元気だし、年寄り扱いして欲しくない」「子供に、お金を使わせたくない」そういった心理抵抗が発生して契約に至らないことがあります

子世代が、親世代に “切り出す際の適切な伝え方 ”

この問題を解消するためには、親と子両方に配慮したご案内表現を心がけることが必要です。

子世代(50代)はWEBが浸透している世代のため、リスティング広告などで誘導したLP(ランディングページ)などでサービス特長をしっかり説明し、一定の説得でニーズ喚起をすることができます。

しかし、もう一方、その先にいる親世代の説得をすることも視野にいれる必要があります。

営業の正解ではバントナップトーク(利害関係者の説得トーク)と言ったりしますが、子世代が、親世代にサービスについての話を “切り出す際の適切な伝え方 ”をさりげなく教えてあげることが重要です。

検討が遅れ、介護疲れしてしまうケースも

こういった親子間の心理をくみ取った配慮は、「見守りサービス」に限らず親子同時に意思決定が必要なライフエンド系商材に通じる話です。

例えば、施設介護を例にとると、親の介護は家族で見るべきという価値観の名残はおおきく、施設介護利用に対して罪悪感を抱いているケースが多く見られます。

実際には介護施設に入居して、食生活の充実、アクティビティなどにより一層元気になっている方がいることも事実ですが、どことなく抱いている罪悪感が邪魔をして、検討が遅れ介護疲れしてしまう方もいるのです。

広告表現において“心を軽くする ”

広告表現において、わかり易いハード(建物)の訴求もよいのですが、それ一辺倒ではなく、入居後に親がいきいき生活している様子の写真、動画を載せる、コピーワークに反映させる。

など、子世代が検討をはじめやすいように、“心を軽くする ”工夫などを取り入れると良いでしょう。

木船 信義(きふね しんぎ)

株式会社 ハルメク・エイジマーケティング 代表取締役
らでぃっしゅぼーや株式会社(現:オイシックス・ラ・大地)で11年間。マーケティング課長、経営企画課長を経験。
2014年、いきいき(現ハルメク)入社。 CRMマーケティング責任者、新規事業開発責任者を歴任。2018年4月に、シニア特化型マーケティングコンサルティング会社、株式会社ハルメク・エイジマーケティングを設立し代表取締役に就任。

▼株式会社ハルメク・エイジマーケティング
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この記事の監修者プロフィール

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木船 信義

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