2025.08.08

プレシニア

『消費の主役は60代 シニア市場最前線』出版記念セミナー開催レポート

2025年7月11日(金)TKPガーデンシティPREMIUM秋葉原にて、「60代のリアルを徹底解説 出版記念セミナー」と題して特別セミナーを開催しました。当日は、マーケティング担当者や商品開発担当者、経営層など、さまざまな立場でシニアマーケティングに携わる約180名の方々にご参加いただきました。
ご来場、誠にありがとうございました。

今回のセミナーでは、弊社シンクタンク「生きかた上手研究所」の調査データをもとに、従来の枠にとらわれない「新人類シニア」の消費行動を分析し、企業が市場競争を勝ち抜くための新たなマーケティング視点をお伝えしました。
本記事では、その概要をまとめてご報告いたします。

目次

セミナー概要 

「何を考えているのか分からない」-そんなシニアの謎に日々悩んでいませんか?ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津順江の新著『消費の主役は60代 シニア市場最前線』は、その迷いに応える“インサイトの地図”です。
書籍の要諦を梅津が解説し、シニア市場を紐解きました。

セミナーアジェンダ

・第一部 60代を攻略!”新人類シニア”の消費地図
 ・意思決定の交差点~感情・経験・バイアスを読み解く
 ・60代は何に影響されて消費をするか 
 ・意思決定の背景~世代研究で見えてきた”影響”の広さ
 ・60代が受けやすい3つのバイアス 
 ・企業が無自覚に抱きがちな「60代へのバイアス」
・ 第二部 ”新人類シニア”のリアルを体感するワークショップ

登壇者紹介

梅津 順江
株式会社ハルメク・エイジマーケティング 生きかた上手研究所 所長


大学卒業後、ジュジュ化粧品株式会社(現・小林製薬株式会社)で商品開発やマーケティングを7年間、株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシーで定性調査のモデレーターや分析を14年間行なう。2016年、株式会社ハルメクに入社。年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施して、誌面づくり・商品開発・広告制作の種になるインサイトをつかんでいる。また、時代や世代もとらえて、半歩先の未来を予測・創造している。

    

第一部 60代を攻略!”新人類シニア”の消費地図

第一部では、梅津が登壇し、60代消費者の意思決定の裏側に迫る講演が行われました。「60代は何を基準にして消費を決めているのか」、生きかた上手研究所の最新の調査データと実例を交えながら解説しました。

●意思決定の交差点~感情・経験・バイアスを読み解く

60代は何に影響されて消費をするのでしょう。「保守的」「諦めモード」「自分の意志で動かない」といった間違った印象を持たれがちな60代ですが、実際は経験と情報に基づいて動く“広域意思決定者”と言えます。

●60代の意思決定の背景~世代研究で見えてきた“影響”の広さ

生きかた上手研究所では、世代研究を深めたことで、60代の判断軸は若い世代と比べて広域で多層であるということが見えてきました。主に下記3つの理由が考えられます。

  •   人生経験の豊富さから、消費に対する意識と行動が形成されてきた世代
  •  「金銭感覚」「味覚の嗜好」「健康・美容意識」など経験によって影響されるものが大きく異なる
  • 消費の情動や意思決定には、「経験」「環境」「感情」「最新情報」が交差される

60代が受けやすい3つのバイアス

60代の消費の意思決定に影響しやすい、または意思を歪めてしまう可能性のあるバイアスが3つあります。消費者は「情報に触れても動かない」のではなく、「動かない理由が自然に作られてしまっている」だけなので、バイアスをヒントと捉えて、意識しながら打ち手や攻略を考えましょう。

  • 正常性バイアス
    「自分はまだ大丈夫」、「自分にはまだ関係ない」という思いを優先させるバイアス
  • 確証バイアス
    「自らの体験や経験」、「都合のいいデータ」など、自分に有利な情報のみで判断するバイアス
  • 自己奉仕(自己肯定)バイアス
    「失敗は外的要因によるもの」、「まだ若いから無理がきく」などプラスに考えがちなバイアス

詳しくは動画でご確認ください!

動画はこちら

企業が無自覚に抱きがちな「60代へのバイアス」

企業が無意識にシニアに対して抱いてしまいがちなバイアスについても、3つご紹介します。60代は決して受け身の世代ではありません。納得して選びたいという気持ちが強い傾向があるので、商品開発がうまくいかず悩まれている方は、この3つのバイアスに陥っていないか再確認してみてはいかがでしょうか。

  •  アンコンシャス・バイアス
    「ITに弱い、理解が遅い」「体力がない」「頭が固い」というような見方
  • 現状維持バイアス
    「新しい領域に躊躇し、現状を変えたくない」「変化を回避する」という思い込み
  • 集団同調性バイアス
    「周囲や世間体を気にして、個性や自分の考えを封印する傾向がある」という偏見

詳細はセミナー動画で

動画はこちら

第二部 ”新人類シニア”のリアルを体感するワークショップ

第二部では、参加者同士でチームをつくり、新人類シニアにまつわる8つの質問に答えていただきました。ハルメクのスタッフでも一瞬判断に迷ってしまうような難しい問題も。正解数上位グループにはハルメク人気商品のプレゼントもあり、白熱した戦いとなりました。

〇か×かでお答えください。
問1 60代女性の約75%が、スマートフォンを利用している
問2 「推し活」をしている60代女性は、約3割である
問3 旅行経験のある60代女性の3人にひとりが「ひとり旅」を経験
問4 60代女性のプレゼント需要の中心は「もらう側」である
問5 「感染症・伝染病」よりも「猛暑・熱波」の方が不安と思う災害だ
問6 60代のNISA普及率は、1割に満たない
問7 孫への支出(お小遣い・プレゼントなど)は、年間平均約8万円である
問8 レトルト、冷凍食品、総菜などの調理済み食品を使うことに罪悪感はない

答えは『消費の主役は60代 シニア市場最前線』の中に!ぜひ、ご確認ください。

ご購入はこちら

まとめ

60代の消費行動を読み解くカギは、影響と関心の構造にあり

若い世代より経験も知識も豊富で、さらに新たな情報への関心も持っているため、このふたつのインサイトを探ることが重要になります。

正常性、確証、自己奉仕の3つのバイアスを正しく理解し、味方につける

これらを理解することで、設計や打ち手、攻略のヒントにつながります。

アンコンシャス、現状維持、集団同調性バイアスは企業が陥りがちな罠

この3つを自覚するだけでも、60代の消費行動は受け身ではないことに気づくことができるはずです。

    

60代は過去の人ではなく、これからのマーケットを動かす当事者になります。
このほかにも、著書の中には60代の理解や攻略に繋がるヒントが詰まっています。少しでも皆さまのシニア世代攻略にお役立ていただけたら幸いです。

    今回のセミナー動画を公開しています!

動画はこちらシニアマーケティングについて相談する

参加者のお声

株式会社ツムラ 商品開発課 A様

Q.セミナーに参加されようと思ったきっかけは?

A.和漢素材を使用した食品開発などを行っているので、60代以上の世代にさらに広げるために知見を得たいと思い参加しました。

Q.セミナーで最も印象に残っていることや、気づきに繋がったことはありますか?

A.情報を正しく理解することが大切なのだと知ることができました。私たちが想像している以上に、60代の方の消費金額が大きかったことも驚きだったので、開発に活かしたいです。

Q.今後60代のシニア市場はどのようになっていくと思いますか?

A.トレンドを新たに作ることさえできれば、和漢を軸に入り込んでいく余地がたくさんあることに気づき、開拓のしがいがありそうだと思いました。ありがとうございました。

株式会社ツムラ ウェルネスマーケティング課 B様

Q.セミナーに参加されようと思ったきっかけは?

A.食品事業担当しており、購入者層50代以上が多いため、親和性が高いと思い参加しました。

Q.セミナーで最も印象に残っていることや、気づきに繋がったことはありますか?

団塊世代、団塊ジュニア世代の間である“新人類世代”の消費傾向の違いに驚きました。これまで60代という大きな枠で見てしまっていたので、アプローチを変えるべきなのだと気づかされました。

Q.今後60代のシニア市場はどのようになっていくと思いますか?

A.今後、定年が70歳などに引き上げられた際、消費傾向がどのように変わっていくのか気になりました。プレゼントやごほうびの需要がさらに高まりそうなので、注目していきたいです。

       

もっとシニアの消費の傾向を理解したいという方は
『消費の主役は60代 シニア市場最前線』ご購入はこちらから

シニアマーケティングの課題解決ならハルメク・エイジマーケティングへ

ハルメクグループでは、シニアに特化した独自の調査方法と実績を活かし、貴社の商品開発やマーケティング活動をサポートします。シニアに対する知見と、高い参加意識を持つモニターを活用した調査で、より多くの成果が見込めます。

具体的な課題解決に向けた相談・商談も随時受け付けておりまので、国内トップレベルのシニア知見と高い参加意識を持つモニターを多く抱えるハルメクグループにまずはお気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせはこちら

この記事の監修者プロフィール

シニアマーケティングLAB事務局

シニアマーケティングラボ事務局

ハルメク独自の調査でわかったシニアの動向やトレンド・実践的なノウハウなど、シニアマーケティングに役立つ最新の情報をご紹介。オンライン・オフラインでの集客のお悩みやCRMの課題など、シニアのことならお任せください!

記事一覧はこちら

ご相談/お問い合わせ・
資料請求はこちら
contact

(株)ハルメク・エイジマーケティング営業局

お問い合わせ

03-3261-1363

(受付時間:平日 9:00〜18:00)

ハルメクグループの
サービス資料をはじめお役立ち資料が
まとめてダウンロードできます。