女性の「働く理由」や「働き方に対する満足度」、子育て世代とシニア世代でこんなに違う!~「働くこと」に関する意識調査~

社会で活躍する女性が増えている一方、家庭と仕事の両立に悩む女性が多くなっています。また、子育て世代とシニア世代では育児の比重や時代背景の違いにより、働く理由や働くことへの満足度も異なると考えられます。そこで、ハルメク 生きかた上手研究所と株式会社キャリア・マムは「働くこと」に関する意識調査を実施しました。本記事では、世代ごとの「働くこと」に対する意識の違いをご紹介します。

目次

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女性の「働く理由」と「働き方に対する満足度」から見える、子育て世代とシニア世代の違い

内閣府「男女共同参画白書 令和3年版」によれば、2020年の15~64歳女性の就業率は70.6%であり、2000年の56.7%から13.9ポイント上昇しています。
しかし、多くの女性が働くようになった一方で、家事や子育て、介護などの「家庭」と「働くこと」の両立に悩む女性が増えてきています。

こうした背景から、ハルメク 生きかた上手研究所と株式会社キャリア・マムは、「働くこと」の実態や、「働くこと」に対する意識が年代によって異なるのではないかという問題意識のもと、30~70代女性を対象に、「『働くこと』に関する意識実態調査」(定量調査)と座談会を共同で実施しました。
本記事では、調査と座談会を通して明らかになった、シニア女性と若い世代の働くことの違いをご紹介します。

 

~定量調査の概要~
■調査手法 WEBアンケート
■調査の対象 全国に居住する30歳~79歳までの女性470名
■調査期間 2021年9月24日~9月28日
■調査主体 ハルメク 生きかた上手研究所、株式会社キャリア・マム

 

~座談会の概要~
■手法 テレビ会議システム(zoom)を用いたオンライン座談会
■対象 30~54歳女性8名、55~79歳女性8名
■期間 11月5日(金)10時~12時(30~54歳が参加)、および13時~15時(55~79歳が参加)
■実施主体 ハルメク 生きかた上手研究所、株式会社キャリア・マム

女性は世代を問わず、「社会とのつながり」を求めている

定量調査で「現在、働いている理由」について尋ねたところ、「社会とつながりをもちたいから」がという理由が56.8%で最も多く、次いで多かったのが「現在の生活のためにお金が必要だから」、「生活にメリハリをつけたいから」でした。
この結果から、多くの女性は世代を問わず仕事を通じて「社会とのつながり」を求めていることがわかりました。



図 1:現在、働いている理由(30~79歳の働いている女性、n=322、複数回答)

30~40代は「生活」「貯蓄」のために働くのに対し、60代以上は「健康のため」に働く

 

しかし、年代別に見ると働く理由に違いが見られました。30~40代は「生活のため」「貯蓄のため」「育児・家事・介護から離れたい」、50代は「生活のため」「貯蓄のため」、60代以上は「健康のために頭を使いたい」「健康のために外出したい」が相対的に多くなっていました。

表 1 現在、働いている理由(働いている女性、40代、60代、70代を抜粋、上位10位)

 

注:70代はn数が少ないため参考値である。
30代、50代についてはハルメク 生きかた上手研究所・株式会社キャリア・マム「30~79 歳の女性に聞いた「働くこと」に関する意識実態調査無料版ミニレポート」参照。

50代以下に比べ、60代以上は働き方への満足度が高い

働き方に対する満足度でも、世代による違いがありました。現在の働き方について「満足している」割合は50代以下では6割未満となっており、全体平均の63.4%を下回っています。

一方、60代では78.0%、70代(参考値)では83.3%と、若い世代に比べ、シニア女性は働き方への満足度が高いことがわかりました。「満足している理由」を尋ねたところ、30代~50代では「家庭との両立が無理なくできている」、60代以上では「自分の知識や経験を活かせる」「人とのつながりが感じられる」といった意見が見られました。



注:30代、70代はn数が少ないため参考値
図 2 現在の働き方に対する満足度(30~79歳の働いている女性、n=322)

 

30~40代では、働いている理由として「生活や貯蓄のため」という回答が目立っており、子育てなどで制約がある中、金銭的な余裕を得るため働いている様子がうかがえました。

 

一方、60~70代は働いている理由として、「頭を使えるから」「生活リズムを保てるきっかけになるから」などが目立ちました。

 

このように「自分の健康や張り合いなど、金銭以外の目的で働いている」ことが、シニア女性の「働き方に対する満足度」が子育て世代よりも高い要因の1つにあると考えられます。次に、女性の「働くこと」に対する意識についてご紹介します。

「働くこと」への将来不安が大きい子育て世代、前向きなシニア世代


30~40代の子育て世代と55歳以上のシニア世代に、「働くこと」に関する意識を聞いたところ、子育て世代は「働くこと」に不安を感じており、シニア世代は前向きにとらえている傾向が見られました。
「『働く』とはどういうことか?」と尋ねたところ、子育て世代からは、「コロナ禍で将来が見通せない」「老後への不安」など、社会情勢に対する不安の声が聞かれました。

 

一方、シニア女性は「『働く』こと」を「自己実現・自己肯定感を得る手段」「生きがい・やりがい」ととらえる方が多く、ポジティブに考えていました。具体的には、「コロナ禍で仕事がなくなり恋しいくらい」「仕事が自分を育ててくれたと思う」、「仕事で自己実現ができ、自己肯定感を身につけることができる」といった意見が見られました。

 

これらの「経験や人脈を積むことで自己肯定感につながり、自己実現ができる」といった働くことに対するシニア世代の前向きなコメントは、若い世代に対するエールともいえるでしょう。


ハルメク 生きかた上手研究所と株式会社キャリア・マムが実施した「働くこと」に関する意識実態調査の詳細については、こちらをご覧ください。
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この記事の監修者プロフィール

生きかた上手研究所

生きかた上手研究所

ハルメク生きかた上手研究所は、雑誌「ハルメク」の全月刊誌販売部数No.1達成(※)を支えた社内シンクタンクです。「ハルメク」から生まれた4,600人を超えるハルメクモニター(通称:ハルトモ)とのつながりを起点に、コンテンツ・商品・サービスの開発につなげています。

※日本ABC協会発行社レポート2023年7月~12月

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