【高齢者ビジネス】攻略法を解説!成果を出すには最新の消費傾向が重要!

高齢者の数が増えるにつれ、高齢者ビジネスの市場規模も拡大しています。しかし、「高齢者」のように漠然としたターゲット設定では、ビジネスはうまくいきません。本記事では、高齢者向けビジネスで成果を出すためのポイントについて解説します。


目次

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高齢者ビジネスの市場規模は100兆円超に拡大中!


2021年9月時点で、65歳以上の人口は3640万人となり、総人口に占める割合は29.1%となりました。また2065年には約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上になるといわれています。
このような高齢者の人口増加により、高齢者ビジネスの市場は2025年までに100兆円を超える規模にまで拡大すると予想されています。

 

国内でビジネス展開する多くの企業にとって、この規模は決して無視できません。次章以降で、高齢者ビジネスの市場で顧客を獲得するための攻略法を紹介します。

 

出典:内閣府『高齢社会白書』
出典:総務省統計局『統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-』

攻略法1:どんな高齢者がターゲット?ペルソナを明確にする


まずはペルソナを明確にすることが重要です。ペルソナとは、商品・サービスの典型的なユーザー像のことです。一言に高齢者といっても、60歳のライフスタイルと80歳のライフスタイルは全く異なるため、決して一括りにはできません。ペルソナを設定するには、ターゲットとなる年代の高齢者のライフスタイルについて詳しく理解する必要があります。

 

日本元気シニア総研顧問の富田眞司氏は、「お金」と「健康」の2つの観点から高齢者のライフスタイルを捉え、「プレミアムシニア」「スポーティブシニア」「エンジョイライフシニア」「悠々在宅シニア」「アクティブシニア」「リーズナブルシニア」「ぎりぎり生活シニア」「要介護シニア」の8つのタイプに分類しました。

 

なかでも、ある程度の資産を持っていて活動的である「エンジョイライフシニア」「アクティブシニア」の2タイプは、消費活動に対して積極的であり、ビジネスチャンスが大きいとされています。このような行動実態や価値観を分けた類型を利用することは、ペルソナの設定に役立つでしょう。

 

ペルソナ設定の具体的な方法、ポイントについては、こちらの記事もご覧ください。


攻略法2:高齢者の消費傾向は?行動に則ったビジネス分野を選ぶ


ペルソナを設定したら、次は高齢者の消費傾向について理解しましょう。消費傾向に沿った販促ができなければ、施策をしても集客がうまくいかず、売り上げにつながらないことが懸念されます。そのため、ペルソナの設定よりも重要なポイントといえます。

 

最近の高齢者の消費傾向として、以下の3つが挙げられます。

①旅行/買い物/趣味にお金をかける


先程紹介した「エンジョイライフシニア」と「アクティブシニア」は金銭的に余裕があり快活であるため、趣味にお金をかける傾向があります。
エンジョイライフシニアは、その名の通り人生を楽しみたいと考えており、趣味や買い物、グルメに対する消費に積極的な傾向です。また、女性の割合が高いため、美容や健康関連の需要も期待できます。アクティブシニアは知的好奇心が強く、新たな価値観を求めて旅行や趣味にお金をかける人が多いです。

②オンライン決済を利用


コロナ禍の影響で在宅志向が強まり、オンライン決済を利用したいと考える高齢者が増えています。
50~85歳女性を対象に実施したハルメク『コロナ禍でのシニア女性の生活と意識実態調査 2021』によると、「支払い・決済・振込み」は「主に対面などリアルな場・方法で行いたい」と回答した割合が24.4%だったのに対し、「主にネット・オンラインで行いたい」と回答した割合が34.8%でした。また、ハルメク『デジタルデバイスに関する意識と実態調査』によると、実際に高齢者が利用しているスマホ機能・アプリでは「スマホ決済」や「ネットショッピング」が伸長しており、直近3年で15ポイント以上アップしています。
このことから、高齢者の間でもオンライン決済は一般的になりつつあるといえます。

出典:ハルメク『コロナ禍でのシニア女性の生活と意識実態調査 2021』

③コロナ禍で変化!生活を見直し、視野や行動を広げる傾向が


外出制限など長引くコロナ禍の影響による「コロナ疲れ」が見られる中、健康により気を遣うようになり、日々の食事や栄養を重視する人が増加しています。また、ハルメクの意識実態調査によると、コロナ禍での生活・意識の変化として「ニュースをよく見るようになった」「本を読むようになった」「社会課題への関心が高まった」といった回答が上位に挙げられ、視野を広げようとする姿勢が見られます。
さらに、「無駄なものを捨て、本当に必要なものを見直すようになった」「いつかやろうと思っていたことに取り組んだ」といった回答が上位に挙げられ、自分を見直そうとする行動も見られます。

 

消費傾向の変化は、このような価値観の変化に伴うことが予想されます。そのため、高齢者向けビジネスを成功させるには、高齢者がどのような価値観を持っているかを把握することが不可欠です。

 

出典:ハルメク『コロナ禍でのシニア女性の生活と意識実態調査 2021』

消費傾向に基づいたビジネス分野の例

以上に述べた消費傾向に基づいた高齢者向けのビジネス分野は、以下の2つです。

 

①飲食分野

昨今のコロナ禍を受けて、高齢者向けにお弁当を宅配する配食サービスの利用者が増えています。買い物で外出するリスクを減らしたり、料理を作る手間を省くため注文が増えたりしたのだと思われます。配食サービスであれば、コロナ疲れの気分転換に外食の代わりとして利用できること、栄養バランスのとれた食事ができること、また、宅配の際に安否確認ができることといった側面もあり、需要が高まっています。

 

②趣味・娯楽分野


外出自粛を受けて書道や俳句、園芸といった在宅でできる趣味をはじめる高齢者が増えています。最近は特に園芸分野の需要が高まっています。総務省が行った「家計調査」によると、2020年の園芸に関する支出金額は、過去5年で最も高額になり、前年比112%の増加となっています。全世代における園芸の支出金額も増加傾向にあることから、もともと高齢者に人気のあった園芸分野は今後も需要があると考えられます。

 

出典:総務省「家計調査」※二人以上世帯

高齢者の消費傾向をつかんで成功した事例

最後に、高齢者向けビジネスの成功事例を2つ紹介します。

 

■大手菓子メーカーの事例

ある大手菓子メーカーでは巣ごもり需要を受け自宅での時間を豊かに過ごせるよう、自社の商品を通じて得られる自宅での「くつろぎ感」と「贅沢感」を演出した広告をハルメクに出稿しました。これにより、読者の食べてみたいという気持ちをかきたてることに成功。菓子ギフト券をプレゼントするキャンペーン応募を約840件獲得しました。

 

■出版社の事例

また、ある出版社では、「指を動かすことで脳が活性化される」と言われているピアノレッスンの効果を実感してもらいたいと考えていました。そこで、高齢者の関心が高い「脳活」をテーマに販促記事を書き、指を動かすことの大切さと効果を説きました。その結果、全3回の施策で合計2,400件以上の資料請求を獲得しています。

 

これらの事例が成功したのは、高齢者の消費傾向を正確に捉えられたからです。消費傾向を把握するためには、最新の高齢者の価値観を理解する必要があります。


 

高齢者の消費傾向をつかんで成功した他の事例は以下資料にてご紹介しています。ぜひご覧ください。

この記事の監修者プロフィール

生きかた上手研究所

生きかた上手研究所

ハルメク生きかた上手研究所は、雑誌「ハルメク」の全月刊誌販売部数No.1達成(※)を支えた社内シンクタンクです。「ハルメク」から生まれた4,600人を超えるハルメクモニター(通称:ハルトモ)とのつながりを起点に、コンテンツ・商品・サービスの開発につなげています。

※日本ABC協会発行社レポート2023年7月~12月

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