高齢者が困っていることの実態は?最新調査をランキング形式で紹介

人口の約半数が50歳以上の超高齢化社会となった今、実際に高齢者は何に困って、どんな事を求めているのでしょうか。日常生活で、つまずく場面や不満に感じることを正確に把握すると、新たな商品開発のヒントやマーケティングの重要な手がかりを得られるかもしれません。

本調査では50代以上の女性約500名を対象に、生活上の「困りごと」を7段階で評価・配点し、ランキング化しました。独自の調査で明らかになった、高齢者の「本音」を見てみましょう。

【調査概要】
事前調査と本調査に分けて調査を実施。事前調査では「普段の生活の中で困っていること」を1名あたり3つまで自由記述で聴取し、回答が多かった20項目を選抜した。本調査では20項目についてそれぞれ7段階で評価を行った。
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:全国50~86歳の女性
調査実施日:事前調査 2024年9月24日(火)~9月27日(金)
      本調査  2024年10月8日(火)~10月11日(金)
回答者数 :事前調査 508名 本調査 529名 
      ※本調査は50代、60代、70代以上が均等になるよう再集計した。
      ※本文中の回答者数は再集計後の人数。
調査主体 :株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
 
【集計方法】
各種目の評価(7段階)に応じて配点し、ランキングを算出した。
[質問] 以下について、あなたはどの程度困っていますか。
[配点] とても困っている:100点、困っている:85点、まあ困っている:65点、どちらともいえない:50点、あまり困っていない:35点、困っていない:15点、全く困っていない:0点

目次

「普段の生活での困りごと」ランキング(529名)

ランキングを出すにあたり、事前調査と本調査に分けて調査を実施。事前調査では「普段の生活の中で困っていること」を1名あたり3つまで自由記述で聴取し、回答が多かった20項目を選抜しました。本調査では20項目についてそれぞれ7段階の配点(ウェート平均)によりランキング化し、順位は少数第二位の差を含めたものとしました。

上記の表は11位までですが、こちらでは1位~10位の困りごとも掲載しています。

20位:買い物が不便 31.1%

「交通の便が悪い」「車に乗って行かないと買い物ができない」など、買い物を車に頼らざるを得ない場所に住んでいる方々から不満の声が集まりました。

19位:パートナーとの関係 35.0%

夫が仕事を引退し、家で二人きりで過ごす時間が長くなりがちな高齢者世代。
「家庭内別居に近い」「コミュニケーションが取れない」「卒婚したい」など、夫婦の関係性において深刻な悩みが寄せられました。
また、「相手の介護があり今後を思うと不安」「パートナーの病気で自分に色々なことの負担がかかり、毎日不安」など、パートナーの介護や病気の負担から来る不安があるようです。

18位:ゴミ処理・分別 36.7%

「年々、細かい指示が増えていく、廃棄し辛いものが多い」「市の収集では引き受けてもらえないものがある」など、多くの高齢者がゴミを捨てる際の分別に困っていることがわかりました。
環境保護と資源の有効活用が進められる中、シニアにとって不用品の種別は難題のようです。

17位:自由時間がない・忙しい 40.5%

「親の介護により自由時間がない」「毎日の仕事が忙しく、帰宅してからの家事をするのが精いっぱい」など、自分の時間がないことに嘆いている方がいる一方で、「ボランティアが忙しく、多趣味で忙しい」と予定を詰め込みすぎたゆえの忙しさを感じている方も。
時間にゆとりがあると思われがちな高齢者も、家族や仕事・趣味に手いっぱいで、自由に使える時間は少ないという実態が見えてきました。

16位:食事の支度が面倒 45.9%

「一日三度も食事の用意をしなくてはならない。時間も体力も必要で重労働だと思う」「特に夕食の後片付けがつらい」など、食事をする際に必要な、準備から後片付けまでの工程が面倒だと感じている方が多いことがわかりました。
既婚家庭の食事は、女性が準備をするというケースが多いため、1日三食分の支度をしなければならない、という状況は少なくないようです。
ハルメクでは独自に調理や買い物に関するシニアのインサイトを調査しました。ぜひお役立てください。

調理や食材の買い物に関する実態調査

15位:献立を考えるのが面倒 48.0%

16位と似ている意見でランクイン。
献立のマンネリ化やレパートリーの少なさを理由にしている方もいる中で、「自分は特に食べたいものがなく、家族の為に考えることが多くて悩みます」「家族のため減塩食を作らないといけないので、レパートリーが少ない」など、家族の好き嫌いや体質に合わせる献立作りが大変だという声も。

多くの方が料理に対する困りごとを抱えていることがわかりました。

14位:痩せない・太った 48.2%

「年老いて代謝が悪くなったせいか、食べる量が減ったのに、太っていく」「食事の量は減っているにも関わらず、ジワジワと太ってきた。体重というより体型」など、年齢に伴い体の変化を感じている人が多いようです。

また、間食がやめられない、食べ過ぎてしまうなどの声も多く、シニアも「痩せたいけど食べたい」を繰り返し、悩んでいる人が多いことがわかりました。
シニア・プレシニア世代の“おやつ”事情についても調査しました。ぜひ参考にしてみてください。

おやつに関する意識調査

13位:心身の不調・健康不安 49.0%

「更年期のせいか体調に波がある。体調が悪いと不安になり、更に体調が悪化するという悪循環に陥る」「体のあちこちが不調。このまま高齢になっていくのかと思うと不安」など、体の不安定さが心にも影響している様子が見て取れます。

ハルメクではシニア女性が、自分の健康について何が不安で、どういった症状に悩み、健康のための対策はどのように行っているのか、健康課題調査レポートを発表しました。
50代以上が直面する健康課題を読み解いた記事はこちらからご覧ください。

12位:家や家財の老朽化 50.2%

「50年前に建てた一軒家のあちこちに、修理したい所がある(床・階段・キッチンなど)」「あちこち壊れているが経済的に余裕がない」と、長年住んでいる家のリフォームをしたいという希望と、金銭的・体力的に難しい、という意見が寄せられました。
費用と労力が大きくかかるため、ついつい後回しにしてしまう方も少なくないようです。

シニアを対象にしたリフォーム調査結果の概要はこちらからご覧ください。

 11位:庭や草木の手入れ 50.2%

「庭木が多いので、落ち葉の掃除や芝生の雑草がすぐに伸びてしまうことに困っている」と手入れが大変だという声に加えて、「大きな木は専門業者に切ってもらったが、庭が広く雑草が夏にたくさん生えて暑い中刈るのが大変」「夏場は草がどんどん生えて草取りが大変。業者に頼むと費用が高いので自分でやるが、そろそろ危険かも」と近年続く猛暑の中で庭仕事をする不安の声も上がりました。

まとめ

今回の調査結果から、50代以上の女性が抱える困りごとは、何気ない日常の様々なシーンにあることが明らかになりました。
さらに50代、60代、70代と年代別の困りごとを詳しく見ていくと、デジタル社会や酷暑などを理由とした「時代」の変化も関係していることがわかりました。

そして今後は「世代」による社会課題も加わります。5人に1人が75歳以上の後期高齢者になる『2025年問題』に直面した今、雇用、医療・介護・福祉など、様々な分野で社会問題の解決の糸口を探す必要があります。

「時代」「年代」「世代」で困りごとやその理由が大きく変わる高齢者。企業はこれまで以上に、この3視点で、シニアの生活ニーズや消費を理解することが求められそうです。

1~10位までの困りごとと専門家による解説をまとめた資料は、以下よりダウンロードしていただけます。

「普段の生活での困りごと」レポート

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対象となる女性のインサイトについても、多くの調査結果や知見を持っています。高齢者の女性をターゲットとした企業様で課題をお持ちであれば、お気軽にご相談ください。

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