年代別ファッション意識を調査!「60代以上の洋服の月あたり平均購入額は4,000円台」

ハルメクシニアマーケLABでは、40代50代のミドルから60代以降のシニア世代に特化した、さまざまな最新の調査結果を公開しています。これまで「女性の年代別・肌悩み」「髪のお手入れやヘアケア」といったテーマを取り上げてきましたが、今回は「ファッション」に関する調査レポートをお届けします。

年齢を重ねるにつれて、ライフスタイルや体型が変化し、ファッションに対する価値観も変化していくのは自然なことです。そこで、40代から80代の女性を対象に、月々の洋服購入金額や情報収集源など、さまざまな角度から調査を行いました。今回の調査結果は、ファッション業界において、年代別の女性が抱えるニーズを深く理解し、より効果的なマーケティング戦略を立てるための貴重なヒントとなるはずです。

ぜひ、「ファッション・美容意識調査2024『ファッション編』レポート」をマーケティング活動にお役立てください。


〜調査概要〜
調査方法:WEBアンケート
対象者条件:40-89歳女性 1,000サンプル
実査期間:2024年1月22日(月)〜1月24日(水)
調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング 生きかた上手研究所

目次

ミドルシニア〜シニア「年代別」月額の洋服購入費の調査結果

最初に、40代から80代女性の、月あたり洋服購入金額の調査結果を見ていきましょう。洋服の月あたり平均購入金額(TOTAL)は、4,165円です。では、年代別ではどうでしょうか?

40代と50代は月平均が3,000円台であるのに対し、60代以上は月平均4,000円台となっています50代は月あたり洋服購入金額が3,201円と最も低く、60代では4,546円と高くなっている点が注目されます。

40代~50代の洋服購入金額が低い理由としては、まず住宅ローンや子どもの教育費など大きな支出が重なる時期で経済的な余裕があまりないことが考えられます。また、仕事や子育て、家庭の雑事に忙殺される中で、自分のための洋服選びは後回しになりがちなのかもしれません。

一方、60代は子育てがひと段落し、教育費の負担も減ることで、比較的自由に使えるお金が増える傾向にあると考えられます。40代や50代と比べて、「自分自身の見た目に気を配る時間や余裕」のある60代が多いのではないでしょうか。60代はキャリアを積んできた女性が退職や働き方の転換をする時期にもあたり、新しいライフステージを迎えて、それに合わせた衣服を新調するという可能性もありそうです。

さらに50代は更年期などの影響もあって体重や体型の変動がありがちですが、60代になる頃にはある程度落ち着き、自分に合った洋服を選びやすくなっていることも、購入意欲を高めている要因のひとつと考えられます。

40~50代女性と60代以降の女性の洋服購入額の差は、ライフステージ、価値観、経済状況、体型の変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考察できます。

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40代〜80代「1年前と比べたファッション支出比較」で「増えた」は5%!減った割合が多い年代は?

次に、1年前と比較して、洋服の購入金額が増えたのか、減ったのかについて聞いた調査結果を見ていきましょう。

1年前と比べた時、洋服の購入金額は「変わらない」がもっとも多く、TOTALで64.3%となっています。

購入金額増減の変化に注目すると、70代以上は60代以下と比べて「減った」の割合が20ポイント程度高くなっています。その要因は、いくつか考えられます。

  1. ライフスタイルの変化
    70代になると、外出機会が減少し、新しい洋服を必要とする場面が減ることで、結果として購買意欲が低下していると考えられます。加えて、年金生活がスタートすると、消費全体を控えめにする傾向が強まることも、要因のひとつとして挙げられるでしょう。

  2. 消費行動の変化
    さまざまなファッションを楽しんできた人も、年齢を重ねるにつれて、自分にしっくりくるスタイルが確立され、新しいトレンドを追いかけるよりも、持っている服で十分だと考えるようになるケースが増えてくるのではないでしょうか。年齢的に断捨離を考える人も増え、ファッションへの消費意欲が低下している可能性があります。この傾向は、70代以降は年々少しずつ進んでいくものであり、購買意欲が変わらない、あるいは低下することはあっても、「もっと服を買いたい!」と思う人は少なくなると推察できます。

  3. 健康状態との関連
    年齢を重ねるにつれて、健康状態に変化が生じることは自然なことです。慢性的な痛みや不調を抱えている場合、自分の容姿よりも健康な体を取り戻すことを優先する傾向にあります。また、外出を控えるようになり、人前に出る機会が減ることで、新しい洋服を必要とする場面が減り、結果的にファッションへの関心が薄れてしまうことも考えられます。

「40代・50代・60代・70代・80代」洋服購入時/ファッションに関して参考にしている情報源

洋服を購入する際の情報収集手段についても調査しました。その結果、最も多く利用されているのは「通販カタログ」でした。続いて「店員のお勧めや意見」、「雑誌」と続き、年代によっては特徴的な傾向が見られました。

特に40代では、「口コミサイト・ECサイトの口コミ欄」といったデジタル媒体の利用率が高いという結果が注目されます。これは、40代がインターネットやSNSに慣れ親しみ、積極的に情報収集を行っていること、また、ネット上の意見を参考にしたいという意識が強いことが背景にあると考えられます。

シニア世代では「チラシ・ダイレクトメール」などの紙媒体を参考にする傾向が依然として強いことがわかりました。これは、長年培われた情報収集の習慣が影響していると考えられます。また、「子どもの意見」が全体の平均よりも高いという点も興味深い結果です。これは、シニアの方々が、子どもや孫との交流の中でファッションに関する情報を交換していることを示唆しています。

また、どの年代においても、「通販カタログ」、「チラシ」、「ダイレクトメール」、「雑誌」といった自宅でじっくりと商品を見ることができる媒体の利用率が高いことから、これらの媒体を活用したクロスセルは有効であると考えられます。

たとえば、カタログに掲載されている商品と関連性の高いアイテムを合わせて紹介したり、チラシに割引クーポンを同封したりすることで、購入単価の向上に繋げることができます。

さらに、ミドル世代ではデジタル媒体、シニア世代では紙媒体といったように、年代によって情報収集手段が異なることを踏まえ、オムニチャネル戦略を展開することも重要です。一例をあげると、オンラインストアと実店舗を連携させ、顧客がいつでもどこでも商品情報にアクセスできるようにすることで、購買体験を向上させることができます。

年代別の情報収集行動を分析し、それぞれの特性に合わせたマーケティング戦略を展開することで、より効果的な顧客獲得を実現することが可能です。

おしゃれをする目的は?「気持ちをあげる」がもっとも多いのはどの年代?

おしゃれをする目的についても調査したところ、年代によって興味深い違いが見られました。

40代から80代までの女性を対象にした「おしゃれの目的」に関する調査では、「身だしなみ」が最も多く、次いで「気持ちを上げる/気分を良くする/明るくする」、「若さ/若く見せる/年寄りくさく見えない」という結果となりました。特に「気持ちを上げる」という目的は、40代で高い割合を示しました。

年齢によるおしゃれの目的の違いは、ライフステージや社会的な役割、自己イメージ、心理的な影響、健康状態など、様々な要因が絡み合い、変化していくと考えられます。

詳細データを見るとわかりますが、50代と80代は「若さ/若く見せる/年寄りくさく見えない」の割合が多い一方、その間にあたる60代は「若さ/若く見せる/年寄りくさく見えない」という目的を持つ人の割合は減っています。これは、子育てなどがひと段落し、更年期といった体調の変化もある程度は落ち着き、むしろ60代で「年齢」を受け入れる人が増えるため、若さへのこだわりが減少すると考えられるのではないでしょうか。

80代は「若さ/若く見せる/年寄りくさく見えない」の割合が高いのですが、「若さ」という意識は、必ずしも「若作り」ではなく、「健康でいきいきとした自分」を表現したいという願望の表れであると考えられます。これは、年齢を重ねてもアクティブに過ごしたい、周囲に元気な印象を与えたいという心理が生じてくるためと推察されます。

「1年前と比べたファッション支出比較」で考察したように、70代以降は、長年の経験や価値観に基づいた、自分にとってしっくりくるスタイルが確立されていると考えられます。そのため、若く見せるためにというよりは、「自分らしいスタイルを保ちながら、健康でアクティブな印象を与える」ことに重点を置き、年寄りくさく見せないことを目的としている人が多いと推察できます。

細かく調査結果を見ていくと、それぞれの年代におけるファッションに対する意識が見えてきます。マーケティングでは、顧客の深層心理や潜在的なニーズを理解し、より効果的な戦略をたてることが重要です。

ぜひ、こちらの詳細データをご活用ください。

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着なくなった服が捨てられない!?「年代別ファッションの悩み」

では、最後にファッションに関する悩みの調査結果を見ていきましょう。

調査の結果「着なくなった服が捨てられない」という悩みがどの年代にも共通して見られました。これは、洋服に対する愛着や、処分への抵抗感などが背景にあると考えられます。また、「マンネリ化している」といった、洋服選びの悩みも多くの年代で共通して見られました。

これらの悩みは、年齢を重ねるごとに変化していく体形やライフスタイル、価値観と深く関わっていると考えられます。特に、「自分に合うものがわからない」という悩みは、年齢による数値の差が顕著に出ています。

ファッション・美容意識調査2024「ファッション編」では、年代別にどのような悩みが多いのかを、より詳細な数値で示しています。このデータから、各年代の消費者がどのようなことに悩んでいるのか、そしてどのようなことに価値を感じているのかを具体的に把握することができます。

それぞれの年代が抱える悩みを的確に捉え、それらの解決策となる商品やサービスを提供することは、消費者の満足度向上につながり、ひいてはブランドロイヤルティの向上にも貢献すると考えられます。データから得られる情報をもとに、消費者の多様な状況を推察し、的確なターゲティングとパーソナライズされたマーケティング戦略を立案することで、より効果的な顧客獲得と顧客維持を実現できるでしょう。

まとめ

ファッションは、単なる洋服選びを超え、個人の価値観やライフスタイルを表現する重要な要素となっています。特に、ブランドに対するこだわりは、ファッションにおいて重要なポイントです。

「このブランドのコンセプトに共感する」「体型カバーや着心地の良さなど、自分の求めるものが叶う」といったように、特定のブランドに強い愛着を持つお客様は、いわゆる「ブランドファン」です。ブランドファンは、高いリピート率と顧客単価が見込めるため、マーケティングにおいて非常に重要な存在と言えるでしょう。

しかし、ブランドファンを育成するためには、ターゲットとする年代層の深い理解が不可欠です。どこから情報を得ているのか、どのような悩みを抱えているのか、消費行動はどのような特徴があるのかなど、多角的な視点からデータを収集し、分析することが求められます。

今回公開した年代別ファッション調査の結果は、マーケティング活動に新たな気づきをもたらすはずです。詳細データでは、40代から80代までの女性が、ファッションに対してどのような価値観を持ち、どのような悩みを抱えているのかを、くわしい数値で見ることができます。

詳細データは、簡単にダウンロードできます。ぜひマーケティング活動にご活用ください。

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この記事の監修者プロフィール

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生きかた上手研究所

ハルメク生きかた上手研究所は、雑誌「ハルメク」の全月刊誌販売部数No.1達成(※)を支えた社内シンクタンクです。「ハルメク」から生まれた4,600人を超えるハルメクモニター(通称:ハルトモ)とのつながりを起点に、コンテンツ・商品・サービスの開発につなげています。

※日本ABC協会発行社レポート2023年7月~12月

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