2022.10.07
シニアマーケティングノウハウシニアに効果的な広告を!アプローチの種類と効果を最大化させる4つのポイント
超高齢化社会に突入し、2025年には市場規模100億円を超えるとされている日本の「シニア市場」でビジネスを拡大させるためには、どのような媒体で広告出稿・アプローチを行うことが効果的なのでしょうか。本記事では、シニアの情報メディア利用実態や、シニア向けの広告媒体の特徴、効果的なアプローチ方法などについて解説します。
目次
シニア向け広告とは
シニア向け広告とは、シニアをターゲットとしてメディアに広告を出稿し、アプローチすることです。
現在、広告が出稿できるメディアの数は多種多様で、高い成果を得るためには、ターゲットに合わせたメディア選定が重要です。
ではシニアに向けた広告に適切なメディアは何でしょうか。以降では総務省やハルメクが過去に行った調査や、各メディアの特徴からシニアに向けた適切な広告媒体を解説します。
情報メディアの利用実態からみる、シニアの情報メディア利用実態
現在、シニアに向けて商品やサービスを訴求する広告媒体は新聞・雑誌などの紙メディアのみならず、テレビやインターネットなどデジタルメディアの有効活用が必要です。以下では、各メディアのシニアへの影響力を情報メディアの利用実態から解説します。
総務省が行った「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると新聞を重要な情報源としている割合が、全年代平均が52.8%であるのに対して60代は75.5%、雑誌を重要な情報源としている割合が、全年代平均が17.9%、60代が20.2%という結果が出ています。
出典:
総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(令和3年8月)」
このようなことからシニアの方は、世の中の出来事や動きについて信頼できる情報源として紙メディアを依然として重要視していることがわかります。
紙メディアのメリットについては以下記事で解説しています。こちらもあわせてぜひご覧ください。
紙媒体とは?紙媒体だからこそできることを活かすには
もっと見る
一方で昨今、シニアのパソコンやスマートフォンなどの使用率も徐々に増加しており、ネットやオンラインメディアの広告効果も十分高いと言えます。
ハルメクが毎年実施している「シニアのデジタルデバイス活用についての調査」によると、ハルメク読者のスマートフォン利用率は2019年で77.4%、2020年で85.3%と年々増加していました。
また、総務省の「令和3年版情報通信白書」によると60代のネット利用率は、2016年が41.7%であったのに対して、2020年には71.3%となっており、シニアでも、ネット利用が一般的だと言えます。
また、オンラインメディアに関しては、ECサイトの利用率が高く、特に「Yahoo!ショッピング」がポータルサイトから直接アクセスしやすいという理由でシニア層に多く利用されています。
以上のような最新のシニアのデジタル利用事情は以下資料で詳しくご紹介しています。
シニアのデジタルデバイス活用についての調査
次章では、広告効果を最大化させるために知っておきたい、シニア向けの各広告媒体の特徴について解説します。
シニア向け 「広告媒体」 ~ 9種類の比較 ~
マスメディア(TV/ラジオ)
高齢者層は現在でもテレビの視聴率は高く、また閲覧時間も長い傾向にあるため、TVCMによる訴求は有効な手段の一つです。より細かなターゲティングについては、番組内容や時間帯を考慮することで、視聴者層や属性を絞ったリーチを行うことができ、映像で伝えるため印象に残りやすいなどの効果が見込めます。
新聞広告
総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、60代の新聞購読率は平日で53.7%であり、全世代の25.5%と比べて非常に大きくなっています。このことから新聞はシニアに好まれ、重要なメディア・情報源であることがわかります。
また、新聞自体への信頼感が高いため、新聞で紹介されている商品・サービスの情報も同様に信頼されやすい傾向があります。
雑誌広告
雑誌の誌面や表紙裏などにて掲載する広告は、文字だけではなく写真やイラストなどを用いて読者に訴求します。雑誌によって読者の年齢層や性別、嗜好が絞れるため、ターゲット層を明確に意識しながら、発刊している雑誌に広告を出稿できます。
たとえば、シニア向けの美容や健康に関連した商品の場合は、仕事・趣味などに意欲的で健康意識が高い傾向にある「アクティブシニア」の「女性」をターゲットとしたシニア女性誌「ハルメク」に広告を出稿することで、より効果的な訴求が可能です。
加えて、雑誌のもつ権威性を活用できるので信頼性が高く、読み返してもらえる再読性も高いため、広告効果を高く得られます。
雑誌広告の概要やメリットなどについては以下記事で解説しています。あわせてぜひご覧ください。
雑誌広告のメリットとオンライン主流の 今だからこそ知っておきたい潮流を紹介!!
もっと見るシニア女性をターゲットとした女性誌「ハルメク」の詳細は以下をご覧ください。
▼シニア女性向けダイレクトメディア「ハルメク」とは▼
会員誌
多くのシニア会員をもつ企業が発行している会員誌も、有効な広告媒体の一つです。読者層のロイヤリティが高く、紹介されている商品に対する信頼も得やすいため、多くの反響を期待できます。
一方、広告の審査が厳しいところもあり、希望する会員誌になかなか掲載できないこともあります。
フリーペーパー
地域密着型の無料情報誌であるフリーペーパーは、さまざまなジャンルのものが発刊されているため、地域や性別、年齢層などのターゲットを絞りやすく、多くの人の目にとまりやすいなどの効果があります。一方で、発行エリアが都市部に集中していることから、それ以外のエリアでは効果が薄くなってしまいがちであることに注意が必要です。
チラシ(ポスティング・折込チラシ)
チラシには、ポスティングや折り込みチラシといった種類があり、こちらもシニア向け広告として有効です。
ポスティングは各家庭のポストに直接広告を投函するため、認知拡大や集客に期待できる販促手法です。注意点として、配布するのに人件費がかかるため費用対効果を見極めることが重要です。
折込チラシは新聞に折り込まれるため、シニアへのリーチが期待できます。新聞広告と同様にメディア自体への信頼性から、訴求される商品についても信頼されやすい特徴があります。一方、広告効果は短いというデメリットがあるため注意が必要です。
交通広告
電車やバスなどの車内に掲載される交通広告は視認性が高く、反復訴求が可能であるという特長があります。また、エリアによってターゲットを絞れるため、シニアやサラリーマンなどを狙ったアプローチが可能です。
交通広告のデメリットとしては、設置場所によっては視認されにくい、競合企業と掲載先がかぶりやすいなどがあります。
同封/同梱広告
同封/同梱広告は、通販カタログや会員誌・定期購読誌などに同封される広告のことです。ターゲットをより絞った広告が可能です。さらに、試供品などを同梱することができるため、高い開封率を実現できます。
ただし注意点として、会員誌同様に広告審査が比較的厳しいことがあります。
シニア向けオンラインメディア
シニアのネット利用は年々増加しています。先述した総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、2016年の60代のネット利用率が41.7%であったのに対して、2020年には71.3%にまで高まっていました。
このことからシニア向けオンラインメディアなどターゲットが明確であるサイトに広告を出稿することで、効果的な訴求が期待できます。
シニア向けオンラインメディア・雑誌は以下記事にて紹介しています。
シニアにおすすめの媒体ランキング!雑誌、WEB媒体選定のポイントや活用方法も解説
もっと見るまた、ハルメクが運用しているシニア向けオンライメディア「ハルメク365」については以下をご覧ください。
▼「ハルメク365」とは▼
特に、幅広い世代が利用し、生活インフラとして定着している「LINE」や、新型コロナウイルス感染拡大防止でのおうち時間によって利用時間が増えた「YouTube」での広告出稿は有効です。そのほか、リスティング広告やWeb広告についてもポイントを押さえれば、効果的に訴求できます。
ハルメクでは、LINEを活用したシニア向けのマーケティング戦略を行っています。ご関心の方はぜひご覧ください。
【シニア×LINE×マーケティング】 ハルメクが実践しているSNSマーケティング戦略手法
もっと見る広告を活用したアプローチ方法
続いて高齢者向けのアプローチ方法について解説します。各媒体の特徴や自社製品・サービスの特徴を考慮し、組み合わせて活用することが重要です。
商材の魅力を宣伝、購買を促す
広告を活用して商材の魅力を宣伝することで購買を促進することは、最もオーソドックスなアプローチといえるでしょう。
より高い効果を得るためには適切なターゲットにきちんと商品の強みを打ち出し、類似品との差別化を図ることが重要となります。
試供品サンプルを送付する
同封/同梱広告には試供品などのサンプルを同梱することで開封率を上げる効果があります。他にも、試供品を使ってもらうことで商品の魅力をダイレクトに伝えることができるというメリットもあります。
応募ハガキを送ってもらう
「ギフト券プレゼント」などの販促キャンペーンを企画し、広告に(チラシ・雑誌・折込みなど)付録させたハガキで応募してもらうことで、企業は顧客の情報を取得できます。
応募ハガキからは応募者の属性(性別・年齢・地域)を取得することができ、今後のマーケティング活動にも活用することができます。
イベントに集客する
新型コロナウイルスの感染拡大により、以前のように実際の会場を利用したイベントでの集客は難しくなっています。そのため、販促・オンライン座談会を企画して、広告で高齢者を招待することが推進されています。
オンライン座談会ではZoom、Google Meetなどのビデオ会議システムを用いて、高齢者の顧客を呼び込み、オンライン上でインタビューやワークショップを行うことで、商品・サービスに関連する体験・評価をしてもらうことができます。
シニア向けの広告で、注意するべき4つのポイント
以下ではシニア向け広告にて、高い効果を得るために注意すべきポイントをご紹介します。
ポイント①:ターゲットペルソナを具体的に描き、「自分事化」させる
まずはどのようなターゲットに訴求したいのかを明確にし、具体的なペルソナを設定することが重要です。
ペルソナとは、企業や商品の典型的なターゲットとなる顧客像です。ペルソナに沿った訴求を行うことで、「これは自分にぴったりの商品・サービスだ」と自分事化されやすく、成果にもつながります。
ペルソナの描き方とターゲティングに関して、一般的な方法だと失敗する可能性があります。
シニアにおいてはいくつか注意があるため、以下を参考に行いましょう。
●シニアへの固定観念を捨てる
現代のシニアは60代を中心に、欧米的なライフスタイルで育った人も多く、一昔前のシニアに抱くような固定観念(ステレオタイプ)を捨てることが重要です。たとえば、「シニアは洋食よりも和食が好き」、「流行りのアイドルやアニメは見ない・知らない」などです。
近年のシニアは、さまざまな趣味・嗜好をもった方がいるため、こうしたステレオタイプのシニア像に基づいてターゲティングすると失敗する可能性があります。
●シニアをひとくくりにしない
ペルソナを設定する際には、固定観念を持たないのと同様にシニアをひとくくりでまとめないことも重要です。シニア層の中でも年齢には大きな幅があり、経済状況やライフスタイル、健康状態なども人それぞれです。
したがって、ターゲットとするシニア層のライフスタイルや嗜好を詳細に設定したペルソナが必要です。
●シニアの視点に立って「自分事化」させるような画像選定や表現方法が大切
シニア向けの広告で注意するべきポイントはシニア視点に立ち「自分事化」させることを意識した広告作りをすることです。
シニアがメインターゲットであるにもかかわらず、ターゲットとずれた若いモデルを起用してしまったり、小さい文字を用いた表現をしてしまったりすると、「自分事」としてメッセージを受け取りづらくなってしまいます。
そのため、具体的に描いたペルソナに沿った画像選定や表現をする重要です。
●体験談/人物をターゲットと合わせる
たとえばターゲットが70代であるにもかかわらず、50代のモデルを採用し「この商品のおかげで調子がよくなりました。」という広告を見てもターゲットの共感を得ることはできません。20歳以上年が離れたモデルはターゲットである70代からすれば自分の子供ほど年の離れた相手となってしまうからです。
ターゲットに「自分事」であると認識してもらい共感を得るためには、体験談/人物をターゲットと合わせることが重要です。
●リサーチデータをもとに、論拠をもって訴求する
今まで解説したようなポイントをおさえて「自分事化」させるためには、ターゲットであるシニアのインサイトを深く知り、ペルソナを具体的に描けていることが重要です。これらを具体的に描くためには、ターゲットに対する事前の調査が重要となります。
ポイント②:読みやすいフォントにする
広告はターゲットに対し興味・関心を引くものでなければなりません。
そのためには読みやすいフォントを心掛けた広告作りが重要です。
シニアが読みやすいとされるフォントサイズは12~14ポイントとされています。フォントサイズの他にも書体や行間、さらには文字間にいたるまで、シニアを意識した調整が必要です。
また、フォントサイズだけでなく、色のコントラストにも注意が必要です。白抜き文字や黄色はシニア世代には見づらい傾向にあるので避け、より見やすい色を使いましょう。
ポイント③:敬意をもった表現を用いる
内閣府が公表している「令和4年版高齢社会白書」によると、2021年の65歳~69歳の就業率は50.3%、70歳〜74歳で32.6%、75歳以上で10.5%となっており、いずれの年齢層においても年々増加傾向にあります。このことは、多くのシニア・シニアが現役で働いており、シニア世代はなかなか自分を”シニア”だとは自認しなくなってきている現状があることを示しています。
そのため、シニア向け商品の広告だからといって、「シニア」や「シニア向け」として表記をしても思うような反響が得られない可能性があります。
以下では、シニアの反響を得にくくなってしまうポイントを解説しています。ぜひご覧ください。
資料をダウンロードポイント④:クリエイティブを流用せず、媒体ごとに新規制作する
折込チラシや他の広告媒体で使っている内容を媒体番号のみ変更して流用することは望ましくありません。
媒体が違えば訴求するターゲットや効果的な訴求方法なども異なってくるためです。
例えば折込チラシなどは安さや見た目の派手さが重視されるかもしれませんが、通販雑誌へのチラシ広告の場合は、通販マインドを持っている読者(ターゲット)に送ることになるため、価格や見た目の派手さよりも、具体的な体験談などを交えた訴求の方が反響を得やすくなります。
リピート率が高い高齢者を狙いうちしよう
購買意欲/リピート率が高い「アクティブシニア」の存在
一概に高齢者、シニアといっても様々な属性の人がいます。「男性シニア」「女性シニア」だけでなく、「ケアシニア」「ギャップシニア」「ディフェンシブシニア」「アクティブシニア」など就労や非就労、健常かそうでないかなどによっても分類されます。
なかでも就労していて健常なシニアである「アクティブシニア」は経済力も高く、健康への意識も強いとされています。そのため、広告訴求をするうえで狙い目であるとされています。
アクティブシニアの定義とは?マーケティング視点から紐解く特徴
もっと見る紙媒体との親和性が高い顧客にアプローチできる「ことせ」
「ことせ」は通販を利用されているシニアアプローチできる紙メディアで、最大で月4回のアプローチをおこなっていただくことが可能です。そのため、短期間でプロモーション実施が可能となっております。
リピート率・購買意欲の高いシニア女性にリーチできる紙媒体として、皆さまのプロモーション活動に活用していただけますので、もしご興味がある方は以下より媒体詳細をご覧ください。
この記事の監修者プロフィール
シニアマーケティングラボ事務局
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